自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

35歳、プロの漫画アシスタント、既婚、子どもなし、犬あり。
漫画家になることも諦めていない。
だけど、睾丸に突然癌が見つかった。
「手術自体は簡単」「生存率は90%以上」と言われ、入院したものの…

Amazon商品ページ

* * * * * * * * * * * * * * *

結婚してる人、パートナーがいる人、パートナーがいたことがある人は絶対外で読んじゃダメ。うっかり涙が止まらなくなります。

あまり題材として見かけない「精巣腫瘍」の闘病記なので、そして表紙が可愛らしいので、病気の特殊さにスポットを当てたライトなエッセイ漫画かと思って読んだのですが、とんでもない。抗がん剤治療の辛さ、闘病うつ、患者同士の付き合いの難しさ、看病する家族の苦しみ、そういったものをきっちり描くことで、素晴らしい夫婦ものに仕上がっています。闘病記というよりも夫婦の記録。少なくとも私にとっては。

漫画がとても上手いです。エピソードではなく、絵で泣かされました。それも、劇的なシーンではなく、一人になったときに思い出す奥さんのふんわりした笑顔とか、同じ病室の元気なおじさんのふとした空虚な表情とか、そういうものに、登場人物の人生が詰まってて、さらに作者のその人への愛情・愛着まで伝わってくるんです。

ちなみに奥さんの笑顔のコマは33ページなんですけど、そこからあとがきまでずっと泣いてました。泣きすぎです。でもこの奥さんがほんと良くって、作者が治療のつらさのあまり奥さんに「もう来るな!」と八つ当たりしてしまうエピソードがあるんですけど、それに対して数日後に奥さんが言うことが、もう。絵で泣かされたあとにエピソードでも結局泣かされて、それで、泣きっぱなしです。

で、病気そのものが全然本筋に関わっていないかというと、比較的生存率の高い癌だから病棟の雰囲気がやや明るめであったり、だけど生殖機能に関わっているから夫婦の問題でもあったり、やっぱりこの病気だからこそこの作品に仕上がるわけで、絵・エピソード・テーマがしっかり組み合ってるんですよ。なんて偉そうに分析めいたことを言うのはやだなあ。とにかくすごく良いから読んで、でも外で読まないで、と言いたい。

このかたちに仕上がるまでにだいぶ苦労されたというようなことも描かれていますが、ほんとに、リアルを失わず、真情が詰まっていて、だけど感傷的にならず、適度に笑いもあり、かといって笑いでごまかさず、当事者でありながらこのバランスにまで持っていくのはどれだけのことだったろうと思います。

Amazonのレビューで「これを読んで結婚したくなった」と書いている方がいらして、それってとても素敵なことだなと思いました。籍を入れる入れないに関わらず、人生のパートナーを持つということは、自分の家族を自分で選ぶという特別な体験ですよね。

おすすめです。
スポンサーサイト

美人で気まぐれでつかみどころのない月子センパイと
「同居」してから数年。恋愛っぽいことは皆無だけど、
それなりに楽しい日々だった…あの「変災の日」までは。

月子センパイが小学生の姿に変身!
僕は耳としっぽの生えた狼男姿に変身!
街のひとも猫になったり羽根が生えたり…

でも、その原因はたぶん、僕が月子センパイにしたこと
なんだ。

大人の純情×ファンタジック変身ラブコメディ、一巻完結。

Amazon商品ページ

* * * * * * * * * * * * * * *

可愛い絵柄と変身ものの組み合わせが大成功!特に、
宮崎駿的な犬猫のデザインがたまりません。
主人公が変身する「狼男」は宮崎駿版「名探偵ホームズ」
(キャラが全部犬のやつです)をさらに可愛くした感じ。
デフォルメされた鼻と肉球のぷにっぷにした質感がよい
です。月子センパイが主人公の肉球をぷにぷに触って
落ち着きを取り戻すシーンなんて…すっごい触りたい(笑)
人間バージョンの主人公もなかなかヘタレかっこよいの
ですが、狼男バージョンのキュートさにはかないません。
街の人の中に、猫になっちゃったおばあちゃんがいます。
このおばあちゃんがまた「猫の恩返し」に出てきそうな
ふっくふくのデザイン。お箸やスプーンが持てなくて、
孫にご飯を食べさせてもらうシーン…食べさせたい(笑)

お話もよいです。
第一話でヒロインが小学生になり、主人公が狼男になり、
そこまでは少女漫画や萌え系青年漫画によくありそうな
お話。同居ものだし。
なのですが。二話目以降の展開がちょっとすごい。
これは青年誌の中でもとんがってるビーム系でないと
OK出ない展開だろうなーと思いました。

めんどくさい女の人ってちょっと可愛いよね、と思った
ことのある方にはおすすめ。
宮崎駿好きにもおすすめ。
犬猫好きにもおすすめ。
あと、武梨えり「かんなぎ」を「萌え漫画でしょー」と
思って食わず嫌いしてたけど、読んでみたら面白かった、
という方におすすめ。まあ、それ、私ですが。

美しく思慮深げな見た目にそぐわず、気弱でネガティブな
一郎は、常に「周囲の求める自分」を演じて生きてきたが、
その実中身が外見にそぐわないこと、外見に値するほどの
中身がそもそもないことを思い悩んでいた。

ある日、人気占い師と人違いされた彼は、ついいつもの
ように相手の望みそうな言葉を口にしてしまい、「カリスマ
占い師」と評判を立てられて後にひけなくなってしまう。
エセ占い師としての生活をスタートしてしまう一郎だが…。

占いを軸に描く連載短編集。

他に、なぜか妻公認でよその女性を口説き続ける夫、その
様子をクールに見つめる娘、風変わりな三人家族を描いた
短編を収録。

Amazon販売ページ

* * * * * * * * * * * * * * * * * *

「楽園」という雑誌でデビューされたときから好きで
読んでる作家さんなんですが、最近ちょっと、文学っぽい
気取った台詞ばかりが鼻についてお話が心に響かないなー
私の好みが変わったかな?と思ってました。が、この
単行本は大当たりでした!

第一話、初老に差し掛かった知恵遅れの娘を遺して逝く
老女のエピソードから、もう、涙がぼろっぼろですよ。
第二話の、嫌われる不安が先に立って好かれる努力が
病的になっていく女性や、第四話の、お互いにある秘密を
持って結婚した夫婦や。

コミュニケーションを求める余りディスコミュニケーション
に陥る人々を見つめる作者の目が温かくて素敵です。

「姉ちゃん 占いってなんだろう」
「圧倒的な救いよ 肯定よ」

「占いっておもしろいものよ みんなひとりぼっちで みんな
つながってる 混沌の中で」

展開が重い割にラストは気楽な感じなのも好み。

読み切りは連作短編と直接関係はないですが、テーマは
共通しています。

大島弓子やおーなり由子の短編、逢坂みえこ「永遠の野原」
あたりが好きならおすすめ。

大好きな彼氏との初体験がきっかけで、セックスが
大嫌いになった奈々子。
彼氏が避妊してくれることを褒めたらなぜか険悪に
なったびわ。
処女のふりして彼氏と付き合っている千衣。
人には聞けない女の子の悩みをポップに明るく描いた読み切り漫画集。

Amazon販売ページ

* * * * * * * * * * * * * * *

なんとなく買ったら面白かったというか、すごく興味深く
読んでしまった一冊。

高校生が当たり前のこととしてセックスしてて、そういう
シーンがクライマックスに配置されてて、女の子向けポルノ、
いわゆるTLに分類してもよさそうな作品群なんですけど、
いやでもこれ、すっごいいい性教育テキストなんじゃない
かなと。

避妊の大事さとか、女の子の受け身にならざるを得ない
立場とか、カップルでも嫌な行為は断っていいとか、
演技しない(笑)とか、本当に十代が聞きたくて聞けない
んじゃないかってことを真面目に取り扱ってるんですよ。
ストーリーはちゃんと少女漫画だし、絵柄も可愛いし、
教材的なものよりずっと受け入れられそう。やるなって
言ってもどうせやっちゃうなら、せめてなるべく歪んだ
性観念を身につけないでほしいなと…おばちゃんかい。
まあおばちゃんです。そういう年です。私も。

「こういうのって なーんで『つけて』っていう女のほうが嫌な気持ちになんだろね」

なんて台詞を、主人公じゃなくて主人公の友人がぽつんと
つぶやいたりするとこが上手いです。

あとがきは作者が飼ってるりすの話。これがまた可愛くて
こっちのエッセイ漫画出してほしいくらい。

というわけで、十代の女の子がもしこのブログ読んでるなら
ぜひおすすめしたいです。この漫画に描いてあることは
ほんとだよ。

これもっとたくさん読まれてほしい漫画です。

古ぼけてさびれかけた商店街。
しっかり者で近所のお兄さんに憧れてる姉・のりと、
お調子者でちょっとおバカな弟・たけ、
優しいけど女にだらしないお父さん、
元気で働き者のお母さんとおばあちゃん。

非常に類型的なんですよ、キャラクターが。
だから一話の最初だけ読んで、

「あー、こういうほのぼのなつかし系ねー」

って読むのやめちゃう人が結構いると思うんです。

いや、でも、もうちょっと読んで!
一話の最後まで読んで!

近所のお兄ちゃんに憧れてるのりが、
弟連れだけどデート気分ででかけるのが第一話。
ところが、お兄ちゃんの同級生の大学生がたくさん
いて、自分も弟と同じ「連れてきてもらった子ども」
だってことを思い知ります。

でもそっからののりの行動がいいんだなぁ。

商店街に新しいスナックができて、美人ママの息子が
たけのクラスに転校してくる話も好き。美少年で性格
悪くて、でもそれはさみしさの裏返しで、って、これも
類型的なキャラなんだけど、でも、たけや他の子たち
の対応がいいんです。

なんというか、類型的なキャラを並べておきながら、
そのキャラがちょっとだけ意外な面を持っていたり、
実は全然違う傾向の類型キャラとすごく似てる面が
あったり、そういう人物造詣が、「人ってみんな普通、
びっくりするくらい普通だけど、でも一人一人違うし、
代わりなんていない」って、じんわりじんわり伝えて
きてくれるようで、なぜか自分の身近な人のことを
思い出させられたりして。

一番好きなシーンは、たけのおばあちゃんがたけと
友だちと遊んでくれたあとに、たけの友だちがふと
「店、厳しいの?」とたけに聞くシーン。「うちも、大変
なとき、大人妙に明るいからさ。なんか、子ども用の
元気ってあるじゃん?」みたいな会話、そうそう、
子どもって大人が思うよりずっと分かってるんです。
でも大人になると、自分が分かってたこと忘れちゃう
んだよね。忘れないでこうやって作品にできる作家が
私は好きです。

帯に岩岡ヒサエ、小田扉が寄稿してます。この二人が
好きなら間違いなく買い。それから、「放浪息子」
「青い花」の志村貴子が好きなら買いです。志村貴子
さん、イシデ電さんと個人的にも仲良しみたいです。
作風は割と違うんだけど、仲良しの理由がなんとなく
分かる通低音みたいなものがお二人の漫画にある
気がします。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。