自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
開拓時代のアメリカ。
出来上がったばかりの丸太小屋に12歳のマット一人を
置いて、父は母と妹を迎えに行ってしまった。七週間、
一人で小屋を守ると意気込んだマットだったが、早々に
銃をだまし取られ、畑や食料を荒らされてしまう。
さらに蜂に追われて大ピンチのマットを助けたのは、
父から「気をつけろ」と言われていたインディアンたち
だった。マットは怪我を治す間の食料と引き換えに、
インディアンの少年エイティアンに読み書きを教える
ことになるのだが…。

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エイティアンがマットに披露するインディアンの知恵が
面白いので、冒険ものが好きなら年齢問わず楽しく
読めると思います。楽しく読めるんですけど、ちょっと
ひっかかるのが二人の関係のクールさ。一緒に森に
でかけるようになってさえ、マットはエイティアンを信用
しきれていないし、エイティアンはどこかマットを馬鹿に
しているし。「ハウス名作劇場」ならとっくに打ち解けて
るタイミングを遥かに通り越してる。

でもよく考えると、二人とも年齢は子どもでも、社会で
担っている役割は「大人予備軍」なんですよね。エイ
ティアンに比べて頼りなく描かれるマットですら、12歳
にして銃も撃てるし魚や獣をさばいたりもできる。
だから、二人の子どもの交流を描いた作品でありつつ、
大人同士の交流のような側面もあって、そのアンバラ
ンスさがこの作品の魅力なのだと思います。

エイティアンがマットに読み書きを習う理由は物語の
初めから明かされていますが、その重みは物語が
進むにつれ増してきます。二人がテキストとして使う
「ロビンソン・クルーソー」も、エイティアンがマットを
馬鹿にしているような態度も、物語が進むにつれて
意味が深くなっていきます。このあたりも、大人が
読んでも楽しめるだけの厚みがあります。

ラストで二人が交わすささやかな贈り物とわずかな
言葉が良い。アメリカが舞台なのに、エイティアンが
感情を表に出さない性格のせいか、良い邦画を観て
いるような気持ちになるんですよね。

突拍子もなく聞こえるかもしれませんが、映画「武士
の一分」が好きな方は好きだと思います。もちろん、
普通に冒険ものが好きな方にも。「大草原の小さな
家」とはまた違った開拓時代が味わえます。

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でもやっぱり、12歳が銃を撃てるような環境は嫌だな…。

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明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

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元気で一生懸命でちょっとわがままながまくんと、
穏やかで思いやりあふれるかえるくん。

ふたりは違う種類のかえるだけれど、
ふたりは同じかえる。
そしてふたりはともだち。

友達とは、相手を大事にすることとは、ということに
ついての5つのちいさな物語。

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一度も手紙をもらったことのないがまくんのために
こっそり知らないひとのふりで手紙を書いたり、
へんてこな水着を着たがまくんの頼みを聞いて
一生懸命がまくんを見ないようにしたり、
かえるくんはいつもがまくんのために一生懸命。
一方がまくんも、わがままを言ったり無茶をしたり
しながらも、いざというときはかえるくんのために
頑張ります。

だからといって、二人はいつもうまくいくわけでは
ありません。

がまくんを傷つけまいとしてかえるくんがついた嘘が
かえってがまくんを傷つけたり、どうしても自分の
わがままを我慢できなかったがまくんがかえるくんを
悲しませたり。

でも、それだからこそ共感できるんだと思います。
両親の行動の意味が分からず傷ついてしまった子ども
も、良かれと思ってやったことが気持ちまで誤解されて
しまった大人も、いくつになってもつい自分が可愛くて
小さな失敗をしてしまう大人コドモも。

相手を思いやるということ、さらに、自分を思いやって
くれている相手の気持ちをおもんばかるということ。
行動よりも根っこの気持ちを大事にするということ。

巷にあふれている安っぽくて押し付けがましい
「優しさ」「思いやり」「感謝」よりずっと成熟した、
「自分と相手は違う、100%理解しあうことはたぶん
できない、それを理解した上で相手を好きだと伝え、
コミュニケーションを取ろうとする努力」がさらりと
描かれています。

さて、日本語で読んでお気に召したら、ぜひ英語でも
読んでいただきたいです。英語で読むなんて敷居が
高い、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
中学校一~二年で習う程度の語彙と文法で書かれて
いますので、日本語と照らし合わせれば大丈夫。
英語ならではのギャグも散りばめられているので、
興味があればぜひ英語でも読んでほしいです。

続編もありますよ!

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【2011/01/05 07:53】 | おすすめ/本・児童
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「こん」はきつねのぬいぐるみ。
おばあちゃんから、あかちゃんのおもりを
たのまれて、「あきちゃん」のところにやって
きました。

でもあきちゃんとくらすうちに、こんのうでは
ほつれてきてしまいます。あきちゃんとこん
は、おばあちゃんにこんのうでをなおして
もらうたびにでます。

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子供のころは、「ちいさい子だけで電車に乗る」
っていう大冒険にわくわくして読みました。

今読むと…「こん」が可愛い!ぬいぐるみと
生きものの間を自在に行き来して「あきちゃん」
を助ける不思議な「こん」、見た目もぬいぐるみ
のくたくた感と生きものの躍動感を行き来して
いて、絶妙に可愛い!

初めは「あきちゃん」をはげまし助ける「こん」
が、だんだん声が小さくなり力が弱くなり、最後
には力尽きてただのぬいぐるみになります。この
ただのぬいぐるみになった「こん」のくたっとして
無力でなんの感情もない感じが…毎回この絵を
見て泣きます。作・絵が同じ人だから、ものすごく
ぴったり来るんですよね。

「魔女の宅急便」のようで、「星のおうじさま」の
ようで、「フランダースの犬」のようで。
大人の絵本好きにおすすめしたい一冊です。

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余談ですが、「こん」が結構世慣れてこずるいん
ですよ。素直に読めばそういうキャラクターって
ことですけど、掘り下げれば「こん」は「あきちゃん」
自身なわけで、あー子供って自分でも無自覚に
こういう「うまい」部分あったりするよね、と、今読む
と思います(笑)

【2010/12/24 08:00】 | おすすめ/本・児童
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馬車を襲っては宝を奪い、かくれがにためこんでいた
強盗三人組。だけどある日三人が手に入れたのは、
財宝ではなく、みなしごの女の子でした。

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子どもって、怖いお話が大好きですよね。
大人にしがみついてきゃあきゃあ言いながら「もっと
もっと」って怪談をせがんで、でも怖くて一人でトイレ
に行けなくなったりして。

この絵本、前半は絵もお話もかなり怖いんですが、
それが思わぬ展開を見せてハッピーエンドになります。
子どもの怖いもの見たさも満たせて、大人の「あとで
『トイレついてきて』って言われたらめんどうだなあ」も
緩和されるという素晴らしい構成です(笑)

大人が見てもおしゃれな絵なのですが、色使いが
はっきりしているので小さなお子さんでも食いつきが
いいように思います。

「手を上げろ!」とピストルを構えるシーンや、
ざっくざくのお宝など、アクションを交えて読み聞かせ
するのに向いたシーンがたくさん。

泥棒が主人公なので、子どもが「泥棒っていいこと?」
と思ってしまうかもしれませんが、お話のメッセージは
「間違って悪い事をしてしまっても、それに気づいて、
悪かったと認めて、いいことをすることが大事なんだよ」
という部分なので、大人がそれを把握していれば
大丈夫だと思います。

何度も繰り返し読み聞かせをするのに向いている絵本
です。初めは怖くても、最後にはめでたしめでたしに
なるって分かっているお話、大人も子どもも大好きです
よね?

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【2010/12/23 08:36】 | おすすめ/本・児童
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