自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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アメリカの医療ビジネス、福祉ビジネス、オバマケアについての考察。

初心者の私にも分かりやすく、翻って自分の国について考えるのに役立ちました。今後新しい法案が出てきたときに是非を考えるベースを作ってくれた感じです。なんていうとえらそうだけど、今まであまりに考えないで来てしまったというか、考え方を学ぶことすらしてなかったなと思いました。

オバマケアが提案されたときに利点として強調されていた制度が、法案が通ったあとにその通り運用されている、にも関わらず、オバマケア施行前より困窮する人が出てくるという事態。庶民に向けて説明されていた法案と実際の法律が違った、っていう展開なら政府を批判することもできるけど、これは……。

タイトルが俗的なのがもったいない感じ。米国批判・オバマ批判のゴシップ本として読むこともできますけど、自分の役に立つ読み方もできると思います。「オバマケアって聞いたことあるけど、結局どうなの?」という私みたいな方にはおすすめです。

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しかし、こういう本の感想を知ったかぶりにならず書くのって難しいですね。

今、推理小説熱が再燃していて、年末に面白いの読んだので、そのことも近々書きます!

追記:「一部の記述が間違っている」というブログを家族に教えてもらいました。わー。それでも読んでよかったとは思ってますが、気をつけなきゃ…
https://healthpolicyhealthecon.wordpress.com/2014/12/24/%E6%B2%88%E3%81%BF%E3%82%86%E3%81%8F%E5%A4%A7%E5%9B%BD%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB/
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なぜ飛び跳ねるのか。どういうときに飛び跳ねるのか。飛び跳ねているとき、自分ではそれをどう思っているのか。飛び跳ねているとき、周りがどんな反応をすると、どう思うのか。

自閉症と診断された著者自身がとる色々な行動について、上記のように多角的に書かれています。見え方と中身を必ず並べて書いてくれているので、「昔学校にいたあの子は、あの時電車で見かけたあの子は、もしかしたらこんな気持ちだったのかな」と自分の経験に照らし合わせながら読むことができました。

一方で、あくまで「自分のこと」として書かれているので、「きっと、この著者はこうだけど、そうじゃない自閉症の人もいるんだろうな」って、考えてみたら当たり前の、でも私なんか見落としがちなことも考えながら読んだりして。

とても慎重にバランスを考えながら言葉を選びながら書かれた本です。自分の性質に関わる何かについて、こんなに客観的に書くことができるってすごい。

家族にいたっていなくたって、自分ごとですよね。おすすめです。

東田 直樹「自閉症の僕が跳びはねる理由―会話のできない中学生がつづる内なる心」

子どものころ、彼には白い塔が見えていた。その白い塔に挑むようにして、彼は天才的なスリの腕を磨き続けた…。

久々に戻ってきた東京で彼が出会う、かつての仕事仲間、幼い万引き少年、そして最悪の男『木崎』。彼が挑む最後の大仕事は、果たして何をもたらすのか。

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年末年始に読んで面白かった本その2!父の本棚から奪ってきました。父はいまいち楽しめなかったようですが、私は一気読みでした!

楽しめない理由もわかるんです。スリの手口の描写なんかはとてもエンタメなんですけど、一方で情景描写はすべて主人公の心象風景でもあるので、そういう意味では純文学っぽい。なんかふわっとしてるんですよね。

なんですけど、主人公にとっての「スリ」が、職業ではなくて本質であるところがとても気に入りました。他に仕事がないから嫌々やっているわけではない。かといって心から楽しんでいるわけでもない。世間的に悪いことだという認識はあり、辞めたいという気持ちもなくはない、一方で、毎日アスリートのように技術を磨き続ける。スリであることと自分であることが一体化している。

そんな主人公が、生活苦のために万引きを繰り返す少年に出会うのですが、この子に対する振る舞いもとてもいいんです。で、このくだりを描くためにはやっぱりスリの技術の描写はいるよなあ、でも、これが描きたいんだったらエンタメには振り切れないよなあ、と思ったり。

「普通」でいることの大事さと困難さについて考えたことのある人に読んでほしい作品です。なんて、偉そうだけど、つまり、お芝居が好きか嫌いか考える以前にお芝居を始め、考えることなく続けてきてしまった自分に重ね合わせたりしたのでした。お芝居を好きになったのって、わりと最近なんです。この話はまたいつか。

鏡に映った自分を自分と認識できない脳機能障害などを例に、自己の認識と自我の関係性について読み解く。

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年末年始に面白かった本その1。

文章のやわらかさ度合いが独特で、エッセイよりは堅いのだけど、一方で唐突に著者のプライベートについてのジョークが登場したりして、ちょっと読みづらいです。慣れてきて、この著者の性格がわかってくると、大学の一般教養の授業の字起こし、みたいな感じで楽しめました。

自己認識とはどういうものか、を、実験や事例を豊富に交えて解説しています。「鏡に映った自分の顔」「他人の考えを推し量る力」、このどちらも、自己認識或いは自我なくしては成り立たない、この趣旨だけで面白い!

「鏡に映った自分の顔」の話では、脳に損傷を負ったために鏡に映った自分の顔だけを認識できない人の事例を中心に、では動物は鏡を認識できるか?鏡に映った自分を認識できるか?という実験で推論を広げていきます。実家の猫が小さい頃、鏡の後ろ側に回り込もうとしてたなあ、なんて思い出しながら楽しくよみました。

「他人の考えを推し量る力」。「人の話を聴いて共感する能力」もそうですけど、「社会規範に沿う能力」「嘘をつく能力」なんかもそのうちだ、なんていう考え方が面白かったです。つまり、「ここで私が仕事をさぼって映画に行く、すると、上司はこれこれこう思うだろう、だから私はさぼらないで仕事をする(或いはさぼったことを隠しとおす)」、そういう思考プロセスを辿れるから、「上司の身になって考える」ことができるから、嘘をついたり決まりを守ったりできるんんだ、という考え方です。自我があるから社会生活がなりたつって面白い。類人猿や幼児を使った実験も興味深く読みました。

ところで、犬や猫も嘘をつくんですよね。おやつをこっそり盗んで隠したりします。見つかったら知らないふりしたり逆ギレしたり(笑)もちろん個体差はあるんだけど、嘘をつく子は鏡の中の自分を認識できたりするのかなー。気をつけて見てみたいです。

海が見える小さな田舎町に突如現れた絶世の美女。
実は全身整形美女。
彼女がこの町にやってきた目的とは…。

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ひさびさの一気読み。

美容整形でも、お化粧でも、ダイエットでも、ふたつの側面があるんですよね。

美しくなりたい。
愛されたい。

このふたつはとても近いんだけど全然違っていて、でも交じり合っていて分かちがたい欲望だと思います。でもやっぱり本能に近いのは「愛されたい」のほうだから、必ず「美しくないと愛されない、愛されているのは自分自身じゃない」っていうジレンマの話になって、その傑作といえば「ヘルター・スケルター」(大好き)。

ところが「モンスター」は、男性作家が書いたからでしょうか、徹底的に「美しくなりたい」に特化した主人公が描かれています。少年漫画の主人公が必殺技を身につけていくように、次々と新しく美しいパーツを手に入れていくさまは、たとえ美容整形の費用を稼ぐために極貧生活を強いられていても人間関係が最悪でも、不思議と悲壮感がなく、むしろ爽快。彼女がコンビを組む(「コンビを組む」という言い方がぴったりなんです)美容整形外科医もまさに勇者をサポートする魔法使いか賢者かといった役どころで、彼が理路整然と説明する「次の必殺技の解説」が非常に面白いです。特に終盤、もう充分美しくなったあとの最後の微調整のところは唸りました。美って見る人の心理を操ることなんですね。

見る人の心理を操るといえば、主人公が外見に合わせて身につけていく人心掌握術もとても面白い!これが、自分の内面を変えるってことじゃないんですよね。振る舞いを変えるだけ。「別に賢くないけど『賢い』と人に言われる術」なんてもう、最高ですよ。

これは大人の女性のための精神の冒険小説だと思います。「岡崎京子『ヘルター・スケルター』のパクリじゃないの?」と避けてた方、安野モヨ子「さくらん」が好きな方、美容整形してなくてもお化粧かダイエットしてるならばおすすめ。

ラスト一行もぞくっと来ます。

ちなみに、百田尚樹といえば「永遠の0」ですが、個人的に「凄腕の零戦乗り」が出てくるだけでダメなんです。史実に基づいた戦争もので、戦闘機乗りがヒーローっていうのは、ごめんなさい、合わないんです。ということで読んでないんです。

それから「影法師」を薦められて読んだんですが、途中まではめっさ面白かったのにラストが浅田次郎ばりの叙情になってしまって、いや、浅田次郎も好きなんですけど、なんていうんでしょう、主人公が突然センチメンタルになるのがダメでした。おまけのエピローグもダメでした。

そんなわけであんまり読む気がしなかった「モンスター」なんですが、文庫版の表紙が良かったので読んでみたのでした。読んでよかった。映画も観たいな。

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