気づいたら半年もブログを書いていない…!
息子はもうすぐ2才です。3日前から三語文をしゃべりはじめまして、「かあしゃん、ぶしぇ、のった(お母さんとバスに乗った)」とか、「とーとー、ちぇんぷんち、っちぇて(お父さん、扇風機つけて)」など、発音はまだまだ親にしか分からないレベルながら過去形だの命令形だの使いこなしており、なんだかすっかり人間だなあ君、という感じです。
ちなみに「かあしゃんわー、○○(自分の名前)の、まま」と言ったので、「かあしゃん」は固有名詞、「ママ」を一般名詞と認識している模様。どうも、外山かあしゃん(ミドルネーム)弥生です。むしろ外山かあしゃん(ファーストネーム)です。
まあそんなことはどうでもよくてですね、久々におすすめブログを書きたくてログインしました。これです。

アガリスクエンターテイメント第24回公演~その企画共謀につき~「そして怒涛の伏線回収」
とりあえずですね、「伏線」「脱線」「メタ」、この3ワードを聞くとわくわくしちゃう人は観にいくべき。
今週24日(日)までです。新宿です。上演時間2時間です。
導入部分のあらすじを書きます。
とあるさびれかけた商店街の組合・青年部の会合に、かつてこの街で生まれ育ったコンサルタントがやってきた。彼を招いたのは、同じくこの街で生まれ育ち、今も商店街で肉屋を経営する幼なじみ。旧交を温める和やかな空気の中、商店街活性化の対策会議が始まった。
ところが、彼の提案は商店街のシンボルである○○を××すること。○○に思い入れのある青年部の面々は、彼を招いた幼なじみも含めて全員大反対し、提案は却下、会議はすぐに終了するかと思われたのだが…!?
何がいいって、この作品、「伏線を回収しまくる」という脚本の凄みを見せるコンセプトながら、その展開を役者の力を信じて、役者の身体の説得力をエンジンに進んでいくんです。脚本を楽しみにきた観客たちは、結局演劇の力を目一杯楽しんでしまう。
その最たる存在が、コンサルタント役の伊藤圭太さん。冒頭、会議がすぐ終了するかと思われた瞬間に彼が繰り出す一手がかなりアクロバティックなのですが、彼の表情、座り方、そのたたずまいを見ていると、「そうか、ここまでする理由が、今は明かされていないけど彼にはあるのだな」と思わされます。さらには「ああ、こういう感じの頑固な子供だったんだろうなあ、そうやって育ったんだなあ」とも。
というか、冒頭ですでにトップギアなのに、2時間ギアを上げ続けるんですよ。これ、もう、観ていただくしかないと思うんですけど、なんというか、2時間全力で体操の全種目( つり輪・あん馬・鉄棒 · 床運動・平均台・段違い平行棒…)を見せられてた気分。終演後、拍手じゃなくて拳を突き上げたくなる気分。
というのが伊藤さんだけじゃないんですね。基本、全員です。12人のキャストが2時間全力でオリンピック全種目を(略)全力ってそれだけですごい。そして、その力がこのとんでもない(褒めてます)脚本をぐいぐいと、たぶん普通にやったら3時間超える脚本を2時間弱でぎゅんぎゅんと進めていきます。
一方でこんなものも配られます。伏線回収メモ。

クリックで拡大できますので、ネタバレOKな方はご覧ください。
あ、そうです、この公演、元々「その企画共謀につき」という、演目から観客参加型で決める公演なので、本番中のネタバレもなんでもOKなんです。
会場の写真アップもOK。役者が衣装&メイクのままでもOK。

右手前でひっそりとアフタートークが開催されてます(笑)共謀企画らしく、お客さんがアフタートーク参加してます(笑)
話を伏線回収メモに戻します。観劇しながら好きなように書いてOK。全伏線が回収されたかチェックしながら楽しんでくださいというものです。ご覧の通り、後半に行くにしたがってぎゅんぎゅんスピードアップするので書くひまがなくなってます(笑)冒頭は一生懸命メモったのですが、手元を見る時間が惜しいのでぐちゃぐちゃ書きでごめんなさい。自分が何を伏線と思うか、が理解できたのも面白い副産物でした。年齢と家族構成めっちゃメモってる。
会議は「12人の怒れる男」ばりに、いや「12人の優しい日本人」ばりに、いや同劇団の「ナイゲン」「紅白旗合戦」ばりに、つまり、正論と屁理屈と新事実発覚の連発によって思わぬ方向に進んでいきます。初めはコンサルタントの提案に反対だった青年部のメンバーが一人、また一人と提案に賛成し始めるのと、そのそれぞれの理由がめっちゃ楽しい。
だけじゃない。
青年部の意見がまとまったときに、またしてもコンサルタントの彼がありえない行動をとります。収束すると思われた会議は大紛糾。だけど、彼の主張を聴くうちに、青年部の面々も今度は自主的に商店街改善のアイディアを出し始め、そして、会議開始時には思いもよらなかった画期的な起死回生のリニューアル案が…!
だけじゃない。
二度もまとまりかけた会議、が、だがしかし、ここからが本番なのです。それが伏線回収メモの最後の欄、「怒涛の伏線回収」なのです。そしてこれを力いっぱい楽しめる人、それは「伏線」「脱線」「メタ」が大好きな人、つまり私のおともだちです。仲良くしてください。
アガリスクエンターテイメント第24回公演~その企画共謀につき~「そして怒涛の伏線回収」
今週24日(日)までです。新宿です。上演時間2時間です。
息子はもうすぐ2才です。3日前から三語文をしゃべりはじめまして、「かあしゃん、ぶしぇ、のった(お母さんとバスに乗った)」とか、「とーとー、ちぇんぷんち、っちぇて(お父さん、扇風機つけて)」など、発音はまだまだ親にしか分からないレベルながら過去形だの命令形だの使いこなしており、なんだかすっかり人間だなあ君、という感じです。
ちなみに「かあしゃんわー、○○(自分の名前)の、まま」と言ったので、「かあしゃん」は固有名詞、「ママ」を一般名詞と認識している模様。どうも、外山かあしゃん(ミドルネーム)弥生です。むしろ外山かあしゃん(ファーストネーム)です。
まあそんなことはどうでもよくてですね、久々におすすめブログを書きたくてログインしました。これです。

アガリスクエンターテイメント第24回公演~その企画共謀につき~「そして怒涛の伏線回収」
とりあえずですね、「伏線」「脱線」「メタ」、この3ワードを聞くとわくわくしちゃう人は観にいくべき。
今週24日(日)までです。新宿です。上演時間2時間です。
導入部分のあらすじを書きます。
とあるさびれかけた商店街の組合・青年部の会合に、かつてこの街で生まれ育ったコンサルタントがやってきた。彼を招いたのは、同じくこの街で生まれ育ち、今も商店街で肉屋を経営する幼なじみ。旧交を温める和やかな空気の中、商店街活性化の対策会議が始まった。
ところが、彼の提案は商店街のシンボルである○○を××すること。○○に思い入れのある青年部の面々は、彼を招いた幼なじみも含めて全員大反対し、提案は却下、会議はすぐに終了するかと思われたのだが…!?
何がいいって、この作品、「伏線を回収しまくる」という脚本の凄みを見せるコンセプトながら、その展開を役者の力を信じて、役者の身体の説得力をエンジンに進んでいくんです。脚本を楽しみにきた観客たちは、結局演劇の力を目一杯楽しんでしまう。
その最たる存在が、コンサルタント役の伊藤圭太さん。冒頭、会議がすぐ終了するかと思われた瞬間に彼が繰り出す一手がかなりアクロバティックなのですが、彼の表情、座り方、そのたたずまいを見ていると、「そうか、ここまでする理由が、今は明かされていないけど彼にはあるのだな」と思わされます。さらには「ああ、こういう感じの頑固な子供だったんだろうなあ、そうやって育ったんだなあ」とも。
というか、冒頭ですでにトップギアなのに、2時間ギアを上げ続けるんですよ。これ、もう、観ていただくしかないと思うんですけど、なんというか、2時間全力で体操の全種目( つり輪・あん馬・鉄棒 · 床運動・平均台・段違い平行棒…)を見せられてた気分。終演後、拍手じゃなくて拳を突き上げたくなる気分。
というのが伊藤さんだけじゃないんですね。基本、全員です。12人のキャストが2時間全力でオリンピック全種目を(略)全力ってそれだけですごい。そして、その力がこのとんでもない(褒めてます)脚本をぐいぐいと、たぶん普通にやったら3時間超える脚本を2時間弱でぎゅんぎゅんと進めていきます。
一方でこんなものも配られます。伏線回収メモ。

クリックで拡大できますので、ネタバレOKな方はご覧ください。
あ、そうです、この公演、元々「その企画共謀につき」という、演目から観客参加型で決める公演なので、本番中のネタバレもなんでもOKなんです。
会場の写真アップもOK。役者が衣装&メイクのままでもOK。

右手前でひっそりとアフタートークが開催されてます(笑)共謀企画らしく、お客さんがアフタートーク参加してます(笑)
話を伏線回収メモに戻します。観劇しながら好きなように書いてOK。全伏線が回収されたかチェックしながら楽しんでくださいというものです。ご覧の通り、後半に行くにしたがってぎゅんぎゅんスピードアップするので書くひまがなくなってます(笑)冒頭は一生懸命メモったのですが、手元を見る時間が惜しいのでぐちゃぐちゃ書きでごめんなさい。自分が何を伏線と思うか、が理解できたのも面白い副産物でした。年齢と家族構成めっちゃメモってる。
会議は「12人の怒れる男」ばりに、いや「12人の優しい日本人」ばりに、いや同劇団の「ナイゲン」「紅白旗合戦」ばりに、つまり、正論と屁理屈と新事実発覚の連発によって思わぬ方向に進んでいきます。初めはコンサルタントの提案に反対だった青年部のメンバーが一人、また一人と提案に賛成し始めるのと、そのそれぞれの理由がめっちゃ楽しい。
だけじゃない。
青年部の意見がまとまったときに、またしてもコンサルタントの彼がありえない行動をとります。収束すると思われた会議は大紛糾。だけど、彼の主張を聴くうちに、青年部の面々も今度は自主的に商店街改善のアイディアを出し始め、そして、会議開始時には思いもよらなかった画期的な起死回生のリニューアル案が…!
だけじゃない。
二度もまとまりかけた会議、が、だがしかし、ここからが本番なのです。それが伏線回収メモの最後の欄、「怒涛の伏線回収」なのです。そしてこれを力いっぱい楽しめる人、それは「伏線」「脱線」「メタ」が大好きな人、つまり私のおともだちです。仲良くしてください。
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今週24日(日)までです。新宿です。上演時間2時間です。
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いまどき、ブログにリンク集ってのもあんまり見なくなりましたね。あれ、ホームページ全盛時代の名残だったんだろうなー。今、お世話になってる団体さんや、スタッフさん、監督さん、演出家さん、作家さん、俳優さん、全部リンク張るとお蔭様ですごい数になって見づらくなっちゃうので、特に追加してないんです。せめて出演履歴は真面目に書いてる。
今朝方、ひとつオファーをお断りしまして、「わかりました。来年またよろしくね」って温かいお返事をいただいて、嬉しかったと同時に、そうなんですよねこの時期ってそろそろ来年の話が始まるんですよね。そしてやっぱりありがとうございます。単純にスケジュールの問題だったので、来年はご一緒したいです。
今年は映像やりたいなーとか朗読やりたいなーとかどエンタメやりたいなーとか、そういうこっそり強く願ってたことが全部叶いそうでとても嬉しいです。全部ってどういうことなの。全出演作ご覧いただいても飽きず楽しめるラインナップに仕上げてるつもりなのでどうか楽しみにお待ちいただけますと幸いです。一部、もうすぐ情報公開いたします。
あと、まだ観てないんですけど今週のおすすめ舞台はこちらです。たまに熱に浮かされたように言い出す「私まだ観てないけど面白いに決まってるから是非観て」シリーズ。
小西耕一一人芝居「蜜月の獣」
十七戦地「眠る羊」
小西耕一一人芝居は予約しました。十七戦地はオーディションの日程次第で決めるけど絶対観に行く。
今すっごく続きが気になってる漫画は、大今良時「聲の形」。聴覚障害者の女の子と、彼女を苛めたことで人生が歪む男の子の話。いじめっ子の視点からスタートして「いじめ・その後」に焦点を当ててるのが新鮮でヒリヒリします。1巻はとにかく泣いた。2巻は本編の助走という感じなので、3巻が待ち遠しいです。あと、明日、ヤマシタトモコの新シリーズ1巻と「俺物語!!」最新刊が出るのですごーく楽しみです。相変わらず漫画たくさん読んでます。
落語の新しいネタもちょっとずつ練っています。悪人が出てきて、人外が出てきて、子どもからお年寄りまで楽しめるやつをひとつ作りたい。今までのは、完全に20代~60代・関東在住がターゲットでしたので。それはそれで大事にしていきますけど。あと、相変わらず新潟弁でやりますけど。
そうそう、去年まではいただいたお話だけでいっぱいいっぱいだったんですけど(贅沢者)、今年はちょっとずつオーディションも受けてるのです。オーディション好きです。
また書きます。
いまどき、ブログにリンク集ってのもあんまり見なくなりましたね。あれ、ホームページ全盛時代の名残だったんだろうなー。今、お世話になってる団体さんや、スタッフさん、監督さん、演出家さん、作家さん、俳優さん、全部リンク張るとお蔭様ですごい数になって見づらくなっちゃうので、特に追加してないんです。せめて出演履歴は真面目に書いてる。
今朝方、ひとつオファーをお断りしまして、「わかりました。来年またよろしくね」って温かいお返事をいただいて、嬉しかったと同時に、そうなんですよねこの時期ってそろそろ来年の話が始まるんですよね。そしてやっぱりありがとうございます。単純にスケジュールの問題だったので、来年はご一緒したいです。
今年は映像やりたいなーとか朗読やりたいなーとかどエンタメやりたいなーとか、そういうこっそり強く願ってたことが全部叶いそうでとても嬉しいです。全部ってどういうことなの。全出演作ご覧いただいても飽きず楽しめるラインナップに仕上げてるつもりなのでどうか楽しみにお待ちいただけますと幸いです。一部、もうすぐ情報公開いたします。
あと、まだ観てないんですけど今週のおすすめ舞台はこちらです。たまに熱に浮かされたように言い出す「私まだ観てないけど面白いに決まってるから是非観て」シリーズ。
小西耕一一人芝居「蜜月の獣」
十七戦地「眠る羊」
小西耕一一人芝居は予約しました。十七戦地はオーディションの日程次第で決めるけど絶対観に行く。
今すっごく続きが気になってる漫画は、大今良時「聲の形」。聴覚障害者の女の子と、彼女を苛めたことで人生が歪む男の子の話。いじめっ子の視点からスタートして「いじめ・その後」に焦点を当ててるのが新鮮でヒリヒリします。1巻はとにかく泣いた。2巻は本編の助走という感じなので、3巻が待ち遠しいです。あと、明日、ヤマシタトモコの新シリーズ1巻と「俺物語!!」最新刊が出るのですごーく楽しみです。相変わらず漫画たくさん読んでます。
落語の新しいネタもちょっとずつ練っています。悪人が出てきて、人外が出てきて、子どもからお年寄りまで楽しめるやつをひとつ作りたい。今までのは、完全に20代~60代・関東在住がターゲットでしたので。それはそれで大事にしていきますけど。あと、相変わらず新潟弁でやりますけど。
そうそう、去年まではいただいたお話だけでいっぱいいっぱいだったんですけど(贅沢者)、今年はちょっとずつオーディションも受けてるのです。オーディション好きです。
また書きます。
姉が結婚を決めた相手は、かつて妹を強姦した男だった。それを聞いた妹は、東京に出てから初めて故郷に足を踏み入れるが…。
公式ページ
* * * * * * * * *
elePHANTMoonの公演を観るのは三回目なのですが、一番、というか、飛び抜けて好きです。ファンになりました。
前に観た作品はどちらも題材は好きだけど表現が私にとっては露悪的というか、舞台という生のパフォーマンスで、しかも客席の近い小劇場で、そこまでどぎついことをしなくても…と思ってしまったのですが、今回はそういうものが抑えめで、そのぶん言葉のやりとり、気持ちのやりとりが、しんどくなるくらい伝わってきて、これだよ!!と。
何しろ脚本が面白いです。強姦事件を軸に据えてはいるけど、それ以上に深い業を背負った登場人物ばかりで、そんな人たちが自己中心的に行動するからさっぱり展開が読めなくてスリリング。でも適度に笑いもあって見やすいです。笑いもギャグではなく、一貫して人物の業を描いてるのがシリアスに振れたり笑いに振れたりしてるだけ、という作りなので、笑いながらふと怖くなっちゃったり、息を呑んで観てる最中に突然吹き出しちゃったり。ああ、こういうの好き。
役者さんも皆さん素晴らしかったんですけど、特に、姉妹の幼なじみの水道屋を演じた寺井義貴さんが良かったです。次に何するかほんとに読めないの。あと、姉役の山田佳奈さん、もっさりとして可愛くて重たくて優しくて素敵で凡庸で憎たらしくて可哀想で、何しろ素晴らしかった。ひとつの作品であんなたくさんの色見せられるなんて。
セットもよかったなあ。映画のセットほどリアルに作り込まれた姉妹の実家の居間と濡れ縁と小さな庭、たったそれだけのスペースで物語は展開していきます。ところが、姉にとっては生活の場ですが妹にとっては久しぶりの実家、姉の友人である居候や姉妹の親戚女性や幼なじみの水道屋や、同じ場所なのに登場人物のそれぞれに違う意味を持つ場所で、だからそのリアルさ平凡さが物語が進むにつれて気味悪く感じられて面白かったです。化け物は日常に潜むんだよね。
そんなわけでぜひ観て欲しい舞台です。なるべくネタバレしないように書いてみました。水曜まで、駒場アゴラ劇場にて。
公式ページ
公式ページにはキャストのインタビュー動画もありますので観劇のご参考に。こういうのいいですよね、やっぱりどんな人が出てるか観られるって大事だと思う。
公式ページ
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elePHANTMoonの公演を観るのは三回目なのですが、一番、というか、飛び抜けて好きです。ファンになりました。
前に観た作品はどちらも題材は好きだけど表現が私にとっては露悪的というか、舞台という生のパフォーマンスで、しかも客席の近い小劇場で、そこまでどぎついことをしなくても…と思ってしまったのですが、今回はそういうものが抑えめで、そのぶん言葉のやりとり、気持ちのやりとりが、しんどくなるくらい伝わってきて、これだよ!!と。
何しろ脚本が面白いです。強姦事件を軸に据えてはいるけど、それ以上に深い業を背負った登場人物ばかりで、そんな人たちが自己中心的に行動するからさっぱり展開が読めなくてスリリング。でも適度に笑いもあって見やすいです。笑いもギャグではなく、一貫して人物の業を描いてるのがシリアスに振れたり笑いに振れたりしてるだけ、という作りなので、笑いながらふと怖くなっちゃったり、息を呑んで観てる最中に突然吹き出しちゃったり。ああ、こういうの好き。
役者さんも皆さん素晴らしかったんですけど、特に、姉妹の幼なじみの水道屋を演じた寺井義貴さんが良かったです。次に何するかほんとに読めないの。あと、姉役の山田佳奈さん、もっさりとして可愛くて重たくて優しくて素敵で凡庸で憎たらしくて可哀想で、何しろ素晴らしかった。ひとつの作品であんなたくさんの色見せられるなんて。
セットもよかったなあ。映画のセットほどリアルに作り込まれた姉妹の実家の居間と濡れ縁と小さな庭、たったそれだけのスペースで物語は展開していきます。ところが、姉にとっては生活の場ですが妹にとっては久しぶりの実家、姉の友人である居候や姉妹の親戚女性や幼なじみの水道屋や、同じ場所なのに登場人物のそれぞれに違う意味を持つ場所で、だからそのリアルさ平凡さが物語が進むにつれて気味悪く感じられて面白かったです。化け物は日常に潜むんだよね。
そんなわけでぜひ観て欲しい舞台です。なるべくネタバレしないように書いてみました。水曜まで、駒場アゴラ劇場にて。
公式ページ
公式ページにはキャストのインタビュー動画もありますので観劇のご参考に。こういうのいいですよね、やっぱりどんな人が出てるか観られるって大事だと思う。
観てきました。
面白かった!!
脚本を読んだ印象、稽古での印象では、なかなかゴツっと男くさい手ごたえのコメディだったのですが、本番は愉快さはそのままにとっても口当たりの柔らかい、どっしりとしたお芝居に仕上がってました。カツカレーだと思ってたらビーフシチューだった、みたいな。
会社の同期で18年の腐れ縁なアラフォー男4人、婚活パーティーで惨敗のち、おしゃれカフェでくだを巻く。惨敗したのに不機嫌そうなのに「帰る」と言い出すこともなくダベり続けるオトコノコーな仲の良さと、大人の男らしい洒落たじゃれあい。たまに気まずくなったときの修復方法もまたオトコノコーであり、大人の男であり。さらっと演じると60分切るであろう脚本ですが、「間」をとても大切に扱うことで、70分弱、見ごたえありつつももたれないちょうどよいサイズ感に仕上がってます。
まーそして、俳優さんがみんな美声なものだから、動かずたらーっとだべってるシーンとかもむちゃくちゃ気持ち良いのですよね。みなさん演劇発声ではなくほんとに普段しゃべってるような感じで、でもちゃんと聞こえるし実はテクニックも使ってるし、すごいわ。特に岡見さんはすごかったなー。みーちゃんこと菊池美里が観に来てて(自分とこの千秋楽翌日だってのに!)、二人でしばらく語り合いましたよ、岡見さんの小声突っ込みのキレ味の鋭さについて。
あと、この日はボクキエダモノ「女教師と団地妻」のキャスト観劇率がハンパなかった!

女教師と団地妻と婚活オトコの図。ここには写ってませんが、「女教師と団地妻」で制作をつとめてくださった女優さんもいらしてましたからね!なんで写ってないかっていうと、この写真を撮ってくださってたからですけどね!恐るべき制作魂。いい女優なのに。

で、作・演出のつついきえちゃんと、主宰・主演の長谷川恵一郎さんと。
長谷川さん素晴らしかったです。ベテランだし上手いのに全く楽をしてない。一番しんどいやり方を自ら選んでらっしゃる。そして何より、お客様に愛される才能がハンパないです。また今度、お芝居の話とかしたいなーと思いました。
あ、ねもつの写真を撮り忘れた。可愛すぎて写真撮ろうとかそういう発想になれずただただガン見していた。可愛かった。エビス駅前バー常連のお客様もいらしてて、ねもつの伝説についておしゃべりしましたよ。
帰り道、「女教師と団地妻」メンバーで駅に向かおうとしてたら、他のお客様がたに「団地のみなさん、さようなら!」って言われたのが昨夜のハイライトでした。
長谷川恵一郎プロデュース「或る夜の出来事」、渋谷駅から徒歩5分のギャラリー・ルデコにて、日曜まで。
おすすめです。
公式サイト
面白かった!!
脚本を読んだ印象、稽古での印象では、なかなかゴツっと男くさい手ごたえのコメディだったのですが、本番は愉快さはそのままにとっても口当たりの柔らかい、どっしりとしたお芝居に仕上がってました。カツカレーだと思ってたらビーフシチューだった、みたいな。
会社の同期で18年の腐れ縁なアラフォー男4人、婚活パーティーで惨敗のち、おしゃれカフェでくだを巻く。惨敗したのに不機嫌そうなのに「帰る」と言い出すこともなくダベり続けるオトコノコーな仲の良さと、大人の男らしい洒落たじゃれあい。たまに気まずくなったときの修復方法もまたオトコノコーであり、大人の男であり。さらっと演じると60分切るであろう脚本ですが、「間」をとても大切に扱うことで、70分弱、見ごたえありつつももたれないちょうどよいサイズ感に仕上がってます。
まーそして、俳優さんがみんな美声なものだから、動かずたらーっとだべってるシーンとかもむちゃくちゃ気持ち良いのですよね。みなさん演劇発声ではなくほんとに普段しゃべってるような感じで、でもちゃんと聞こえるし実はテクニックも使ってるし、すごいわ。特に岡見さんはすごかったなー。みーちゃんこと菊池美里が観に来てて(自分とこの千秋楽翌日だってのに!)、二人でしばらく語り合いましたよ、岡見さんの小声突っ込みのキレ味の鋭さについて。
あと、この日はボクキエダモノ「女教師と団地妻」のキャスト観劇率がハンパなかった!

女教師と団地妻と婚活オトコの図。ここには写ってませんが、「女教師と団地妻」で制作をつとめてくださった女優さんもいらしてましたからね!なんで写ってないかっていうと、この写真を撮ってくださってたからですけどね!恐るべき制作魂。いい女優なのに。

で、作・演出のつついきえちゃんと、主宰・主演の長谷川恵一郎さんと。
長谷川さん素晴らしかったです。ベテランだし上手いのに全く楽をしてない。一番しんどいやり方を自ら選んでらっしゃる。そして何より、お客様に愛される才能がハンパないです。また今度、お芝居の話とかしたいなーと思いました。
あ、ねもつの写真を撮り忘れた。可愛すぎて写真撮ろうとかそういう発想になれずただただガン見していた。可愛かった。エビス駅前バー常連のお客様もいらしてて、ねもつの伝説についておしゃべりしましたよ。
帰り道、「女教師と団地妻」メンバーで駅に向かおうとしてたら、他のお客様がたに「団地のみなさん、さようなら!」って言われたのが昨夜のハイライトでした。
長谷川恵一郎プロデュース「或る夜の出来事」、渋谷駅から徒歩5分のギャラリー・ルデコにて、日曜まで。
おすすめです。
公式サイト
今日から始まるお芝居です。渋谷です。
今日からなのに早速おすすめするとはどういうことか、と言いますと、稽古見学行ってきてめちゃくちゃ面白かったのもありますが、稽古見学する前から面白いのはわかってたのですが、それ以外にも色々あるのですが、
順を追って書いたらすごい長くなったので、キャスト紹介は「追記」に入れます…。
まず、何しろ、作・演出がつついきえ!ボクキエダモノ「女教師と団地妻」の作・演出、つついきえ!オリジナリティでは類を見ない、とにかく人生が面白いから書くものもやたら面白い、私の大好きなきえちゃんが、
四人の可愛いおじさんが婚活パーティーで玉砕、そして、の話
を書くっていうんだから、もうこれは面白いに決まってるわけです。
脚本読みました。面白かったです。
稽古行きました。さらに面白かったです。
だって、可愛いおじさん役のみなさんがほんとにめちゃくちゃ可愛い。ヒロインが輪をかけて可愛い。詳しくは追記で。
で、企画もいいんですよ。
☆渋谷駅から徒歩5分
☆平日夜・19時半~1時間のコンパクトな上演時間(平日昼・土日もやってます)
ぱっと行けて、終わってからごはん食べたりお酒飲んだりもできる素敵タイムテーブルですよ。おまけに、
☆くすくす笑える
☆しんみりできる
☆ちょっとロマンティックなコメディ
お芝居好きでもお芝居あまり観ない方でも楽しめます。第一、
☆おじさんたちが可愛い
☆ヒロインがさらに可愛い
☆そのおかげでおじさんたちがさらに可愛い
ですからね。
というわけでおすすめです。
公演詳細はこちら!
可愛さの詳細は追記へ!
今日からなのに早速おすすめするとはどういうことか、と言いますと、稽古見学行ってきてめちゃくちゃ面白かったのもありますが、稽古見学する前から面白いのはわかってたのですが、それ以外にも色々あるのですが、
順を追って書いたらすごい長くなったので、キャスト紹介は「追記」に入れます…。
まず、何しろ、作・演出がつついきえ!ボクキエダモノ「女教師と団地妻」の作・演出、つついきえ!オリジナリティでは類を見ない、とにかく人生が面白いから書くものもやたら面白い、私の大好きなきえちゃんが、
四人の可愛いおじさんが婚活パーティーで玉砕、そして、の話
を書くっていうんだから、もうこれは面白いに決まってるわけです。
脚本読みました。面白かったです。
稽古行きました。さらに面白かったです。
だって、可愛いおじさん役のみなさんがほんとにめちゃくちゃ可愛い。ヒロインが輪をかけて可愛い。詳しくは追記で。
で、企画もいいんですよ。
☆渋谷駅から徒歩5分
☆平日夜・19時半~1時間のコンパクトな上演時間(平日昼・土日もやってます)
ぱっと行けて、終わってからごはん食べたりお酒飲んだりもできる素敵タイムテーブルですよ。おまけに、
☆くすくす笑える
☆しんみりできる
☆ちょっとロマンティックなコメディ
お芝居好きでもお芝居あまり観ない方でも楽しめます。第一、
☆おじさんたちが可愛い
☆ヒロインがさらに可愛い
☆そのおかげでおじさんたちがさらに可愛い
ですからね。
というわけでおすすめです。
公演詳細はこちら!
可愛さの詳細は追記へ!
まず岡見文克さん。

エビス駅前バー「ライ・トゥ・ミー」「捨てる。」と2連続共演させていただきました。低くてよく響く声と愛嬌たっぷりの表情が魅力で、エビスメンバーでよく「岡見さんは可愛いからズルイ」と話題になる脅威のキューティー40代。今回、超しぶいです。いつも思うんですけど、岡見さんが登場すると、場の空気がさっと変わるんですよね。
それから浜野隆之さん。

コメディ・シリアス・翻訳劇、なんでもこなす俳優さん。そこはかとなく知的な空気が漂うのを却って茶化されることが多くて、MU「無い光/変な穴」では、「ブラック村上春樹的変態どM」を楽しそうに演じておられました。ちなみにこの公演は3本立て、私は同じ作品の男女逆転バージョンで、浜野さんと同じ役を演じましたが、「卑屈&無自覚女王様」という真逆キャラでした。嬉しかったし楽しかったなー。今回はいつになく軽妙でちょっとワルくて、普段表に出さないおじさん感も出てて(浜野さんは普通にしてるとものすごく若いのです)、素敵です。
そんで山森信太郎さん。

とにかく大きい。声も身体も存在感も大きく、重く、強い。古き良きシェイクスピア俳優みたいです。小劇場にこういう人いるんだ~、と衝撃を受けました。劇団チョコレートケーキ「一九一一年」で演じてらした大正時代の貴族がもうハマりまくってて。ちなみに初めて拝見したのはミナモザ二人芝居「指」で、このときの相手役がつついきえちゃん、もうね、バケモノすぎた。そんなバケモノ級の俳優さんが、たぶん今回、史上初めてくらいちょこまかした小物を演じますよ。ちょこまかしてても規格外に大きいとこがまた良い。
主宰で主演の長谷川恵一郎さん。

長谷川さんは唯一、今回ほぼ初めてお話する方なんですけど、何かとご縁がつながっているのであまり初めまして感がなく、つつい作品における主演の立場について熱く語り合っちゃいました。ありがとうございます。お芝居が上手いのは勿論のことですが、ものっそい動きにキレがあって、今回も序盤で長谷川さんが繰り出すキレッキレアクションに呼吸困難になるほど笑いました。あと、おじさまチーム皆さんに言えることではありますが、笑顔がむちゃくちゃ可愛いです。劇場でその可愛さを堪能してほしいので、敢えてクールな写真を探してきてみた!純情・口下手な主人公です。
ヒロインはねもつこと根本沙織ちゃん。

ねもつは可愛い。とにかく可愛い。エビス駅前バーで伝説的ヒロインを演じておられまして、もうね、どの作品のときでも必ずお客様の口からねもつの名前が出るのです。「可愛かったなあ、また観たいなあ」って。可愛いだけじゃなくて、不思議な実在感があるんですよ。ああ、きっと世界のどこかにこの女の子はほんとにいるんだな、その子が今、ねもつの身体を借りて劇場に現れてるんだな、いつか本人に会いたいな、って思わせてくれる。今回もその能力が爆発してますよ。ちょっと他にいないヒロイン像です。

エビス駅前バー「ライ・トゥ・ミー」「捨てる。」と2連続共演させていただきました。低くてよく響く声と愛嬌たっぷりの表情が魅力で、エビスメンバーでよく「岡見さんは可愛いからズルイ」と話題になる脅威のキューティー40代。今回、超しぶいです。いつも思うんですけど、岡見さんが登場すると、場の空気がさっと変わるんですよね。
それから浜野隆之さん。

コメディ・シリアス・翻訳劇、なんでもこなす俳優さん。そこはかとなく知的な空気が漂うのを却って茶化されることが多くて、MU「無い光/変な穴」では、「ブラック村上春樹的変態どM」を楽しそうに演じておられました。ちなみにこの公演は3本立て、私は同じ作品の男女逆転バージョンで、浜野さんと同じ役を演じましたが、「卑屈&無自覚女王様」という真逆キャラでした。嬉しかったし楽しかったなー。今回はいつになく軽妙でちょっとワルくて、普段表に出さないおじさん感も出てて(浜野さんは普通にしてるとものすごく若いのです)、素敵です。
そんで山森信太郎さん。

とにかく大きい。声も身体も存在感も大きく、重く、強い。古き良きシェイクスピア俳優みたいです。小劇場にこういう人いるんだ~、と衝撃を受けました。劇団チョコレートケーキ「一九一一年」で演じてらした大正時代の貴族がもうハマりまくってて。ちなみに初めて拝見したのはミナモザ二人芝居「指」で、このときの相手役がつついきえちゃん、もうね、バケモノすぎた。そんなバケモノ級の俳優さんが、たぶん今回、史上初めてくらいちょこまかした小物を演じますよ。ちょこまかしてても規格外に大きいとこがまた良い。
主宰で主演の長谷川恵一郎さん。

長谷川さんは唯一、今回ほぼ初めてお話する方なんですけど、何かとご縁がつながっているのであまり初めまして感がなく、つつい作品における主演の立場について熱く語り合っちゃいました。ありがとうございます。お芝居が上手いのは勿論のことですが、ものっそい動きにキレがあって、今回も序盤で長谷川さんが繰り出すキレッキレアクションに呼吸困難になるほど笑いました。あと、おじさまチーム皆さんに言えることではありますが、笑顔がむちゃくちゃ可愛いです。劇場でその可愛さを堪能してほしいので、敢えてクールな写真を探してきてみた!純情・口下手な主人公です。
ヒロインはねもつこと根本沙織ちゃん。

ねもつは可愛い。とにかく可愛い。エビス駅前バーで伝説的ヒロインを演じておられまして、もうね、どの作品のときでも必ずお客様の口からねもつの名前が出るのです。「可愛かったなあ、また観たいなあ」って。可愛いだけじゃなくて、不思議な実在感があるんですよ。ああ、きっと世界のどこかにこの女の子はほんとにいるんだな、その子が今、ねもつの身体を借りて劇場に現れてるんだな、いつか本人に会いたいな、って思わせてくれる。今回もその能力が爆発してますよ。ちょっと他にいないヒロイン像です。
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