自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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美しく思慮深げな見た目にそぐわず、気弱でネガティブな
一郎は、常に「周囲の求める自分」を演じて生きてきたが、
その実中身が外見にそぐわないこと、外見に値するほどの
中身がそもそもないことを思い悩んでいた。

ある日、人気占い師と人違いされた彼は、ついいつもの
ように相手の望みそうな言葉を口にしてしまい、「カリスマ
占い師」と評判を立てられて後にひけなくなってしまう。
エセ占い師としての生活をスタートしてしまう一郎だが…。

占いを軸に描く連載短編集。

他に、なぜか妻公認でよその女性を口説き続ける夫、その
様子をクールに見つめる娘、風変わりな三人家族を描いた
短編を収録。

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「楽園」という雑誌でデビューされたときから好きで
読んでる作家さんなんですが、最近ちょっと、文学っぽい
気取った台詞ばかりが鼻についてお話が心に響かないなー
私の好みが変わったかな?と思ってました。が、この
単行本は大当たりでした!

第一話、初老に差し掛かった知恵遅れの娘を遺して逝く
老女のエピソードから、もう、涙がぼろっぼろですよ。
第二話の、嫌われる不安が先に立って好かれる努力が
病的になっていく女性や、第四話の、お互いにある秘密を
持って結婚した夫婦や。

コミュニケーションを求める余りディスコミュニケーション
に陥る人々を見つめる作者の目が温かくて素敵です。

「姉ちゃん 占いってなんだろう」
「圧倒的な救いよ 肯定よ」

「占いっておもしろいものよ みんなひとりぼっちで みんな
つながってる 混沌の中で」

展開が重い割にラストは気楽な感じなのも好み。

読み切りは連作短編と直接関係はないですが、テーマは
共通しています。

大島弓子やおーなり由子の短編、逢坂みえこ「永遠の野原」
あたりが好きならおすすめ。

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