自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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長文です。

昨年の9月、私にとって思い入れのひときわ深い舞台に出演させていただきました。
劇団の名前はミナモザ。
作品の題名は「ホットパーティクル」。

東日本大震災と、それに続く福島第一原子力発電所事故にショックを受け、フィクションでは現実に太刀打ちできないと感じたミナモザ主宰・瀬戸山美咲さんが、

自ら福島第一原子力発電所の20km圏近くまで赴き、見たこと聞いたことしたことをすべて舞台上に再現する

という『ドキュメンタリー演劇』でした。

いえ、『ドキュメンタリー演劇』だという企画書を頂き、瀬戸山さん自身もそのつもりでスタートされたに違いないのですが、出来上がったものはさらに生々しく痛々しく狂おしい、瀬戸山さんの脳内をすべて曝け出したような作品でした。福島行きに留まらず、震災の前から公演当日までの瀬戸山さんの身の回りの、震災にまつわることも原発にまつわることもそうでないこともないまぜのドキュメンタリー。その間に挿入される、圧倒的な量のモノローグ。佐藤みゆきさんという素晴らしい女優さんが瀬戸山さんが乗り移ったかのようにそれを語り、つぶやき、叫び、時に口ごもる。ドキュメンタリーとモノローグが交錯する様子がそのまま瀬戸山さんの混乱のようで、演劇というよりも祈りのようで、口をついて出る言葉は「面白い」ではなく「凄い」、座組の一員のくせに「凄いから、絶対に『今』観るべきだから来てください」と各方面にご連絡し、観に来てくださったお客様も賛否両論ながら「凄かった、今観てよかった、今だからよかった」というご感想もいただけた、そんな作品でした。

その年の晩秋にミナモザが発表した作品は「指」。こちらは観客として観に行きました。

今度はフィクション、実話に基づいたフィクションでした。被災地で空き巣をしては東京で贅沢な暮らしをしている中年夫婦の話でした。同じように犯罪行為に手を染めている夫婦なのに、被災地で「それ」を前にしたとき、意見が分かれます。「妻」は本能的に「それはやっちゃダメだ」と叫び、「夫」は「何が違うんだ」と理屈で問いただします。そして「それ」の正体を知ったとき、「夫」もまた…。東日本大震災をモチーフにしながら、もっと人間の根源的な部分に切り込むような、そして前にもまして祈りに似た、素晴らしい作品でした。観終わって口から出た言葉はやっぱり、「面白い」ではなく「凄い」でした。

そんな瀬戸山さんから先日電話を頂きまして、

「外山さん、ミナモザ出ませんか?」

出たいです!とお返事しようとするより一瞬速く、

「私最近ずっと考えてたんですけど、震災があって、原発事故があって、それから一年以上経って、でも私相変わらず東京に住んでるし普通に消費して普通に生活してるんですよ。それってどうなんだろうと思って、だから今度はフィクションで、『私たちには、まだ、ショックが足りないの?』って、そんなお話をやろうと思うんです」

それは私が自分自身に感じていたことでもあって、私はちょっと呆然としてしまって、ああ確かに「私たち」だなあとかしんどそうな話だなあとかきっと素敵な座組になるだろうなあとか去年の夏の色々とかつらつらと考えてしまって、割と間の抜けたタイミングで「あの、出たい、です」というようなお返事をしました。

出演いたします。

「凄い」作品になると信じています。

明日、顔合わせです。とても楽しみです。楽しみにしていただけると、嬉しいです。

* * * * * * * * * * * * * * * * * * 

ミナモザ#13
「国民の生活」

ミナモザ公式サイト
http://minamoza.com/

「わたしたちには、まだ、ショックが足りないの?」
今ここにあることと、これからのこと。
資本主義と、その罪と、勇気、をめぐるショートピース。

2012年8月1日(水)~6日(月)
SPACE雑遊(新宿三丁目駅C5出口目の前)
zatsuyu_accesmap_s.gif
(クリックすると大きく表示されます)

作・演出 瀬戸山美咲
出演 外山弥生 西山宏幸(ブルドッキングヘッドロック) 西尾友樹 (劇団チョコレートケーキ) 藤原慎祐 志水衿子 (ろりえ) 石田迪子 / 首藤健祐(東京ハートブレイカーズ) 

舞台監督 伊藤智史 照明 上川真由美 音響 前田規寛 ドラマターグ 中田顕史郎
宣伝写真 服部貴康 宣伝デザイン 高田唯(ALL LIGHT GRAPHICS) 
演出助手 オノマリコ(趣向) 制作/おさださちえ(みきかせworks/みきかせプロジェクト) 
協力 東京ハートブレイカーズ、ブルドッキングヘッドロック、ノックス、
劇団チョコレートケーキ、ろりえ、趣向、みきかせworks/みきかせプロジェクト、池林房、太田篤哉

8月1日(水) 19:30(1)
2日(木) 19:30(2)
3日(金) 15:00(3) 19:30
4日(土) 15:00  19:30
5日(日) 13:00  19:30(4)
6日(月) 15:00  19:00
・受付開始・当日券販売は開演の45分前、開場は30分前。

(1) 1日(水)19:30の回は初日割引(下記参照)
(2)(4) 2日(木)19:30/5日(日)19:30の回はポストパフォーマンストークあり
(3) 3日(金)15:00の回は『3000円相当デー』

『3000円相当デー』に限り、モノで入場料を払うシステムが適用されます。本でも、服でも、紙に書かれた画期的なアイデアでも、なんでもかまいません。あなたが3000円相当と思われるものをお持ちください。3000円分の現金でもお入りいただけます。当日券の場合は3300円分をお持ちください。学割・高校生以下割も適用されます。

全席自由
前売・一般 3,000円/当日・一般3,300円
学生割引(前売・当日ともに)2,500円
高校生以下割引(前売・当日ともに)2,000円
初日割引 前売2,500円 当日2,800円
学割チケットは劇団・こりっちのみ取り扱い。当日要学生証。

お問合せは右のメールフォームより受付けさせていただきます。

チケットのご用命は下の予約フォームにて!もちろんメールでも承ります!

https://ticket.corich.jp/apply/37997/004

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