自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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一年前に起こったとある惨殺事件。その関係者とされる7人の男女が、深夜あるアパートの一室に集められた。床には事件現場の見取り図と、7人を模した人形たち。やがて彼らの前に男が現れ、こう告げた。

「あなたたちの中から、真犯人を選びます」

* * *

好みはすごく分かれそう。「こういうのは演劇じゃない」って言う人もいそうな気はします。私も、普段お芝居を観るときの楽しみ方ではなかったです。

でも、めちゃめちゃ楽しかったです!!!

とにかく、生のエンタテイメントとしての楽しさが存分!特に、舞台上に動いている本物の時計が配置されていて、その時計で0時が犯人探しのタイムリミットっていうのがとてもスリリング。お芝居観ながら、つまらなくて時計をちらちら見ちゃうことはたまにありますが、楽しくちらちら見たのは初めてです。

誰が犯人なのか?本当にこの中に犯人はいるのか?脳みそフル回転で犯人探ししながら、良い意味でくだらない笑いも楽しめます。集められた7人にはある「餌」も提示されていて、例え犯人じゃなくても集まった時点で善人じゃないのが証明されてる、というブラックさも好み。集まった中で一番善人じゃない人がそれを指摘するのがまた、にやにやしちゃいます。

『演劇の嘘』みたいなものに対するおふざけも私は好き。しかも、作品としての手落ちみたいに見せといてあとから種明かししてくるので、「あーあ、こういうの冷めるよね」とか上から目線で思ったさっきの自分が恥ずかしかったりして、結構悔しいのですよ。悔しいのが楽しい、みたいな。

キャストでは、けたたましいおっちょこちょい女を演じた木戸雅美さん、被害者に片思いしてたちょっと危ない男を演じた坂根泰士さんが素敵でした。台詞には序盤から細かい笑いがたくさん仕込まれているんだけど、状況が状況なのでなかなか笑えずにいたところ、緩ませてくれたのはこのお二人の佇まいでした。

つまり、演劇としての面白さはほぼ俳優の力に託されてるのかも。キャスト皆さん良かったのですけど、全く別のキャスティングで観てみたい気もします。あの役を男女逆で、とか。あの役を敢えての美形で、とか。あの役を二十歳年上の俳優で、とか。

【島田荘司だと思って買ったら蘇部健一だった】みたいな、【美術館だと思ったら遊園地だった】みたいな、【演劇だと思ったら「愛する人を残酷に殺す方法」だった】みたいな、そんな作品でした。楽しかった!

日曜まで、渋谷のギャラリー・ルデコ4Fにて。

公式サイト

追記:当日パンフレットと一緒に、事件概要に関する資料が配られます。早めに会場に行って、資料に目を通しておくことをおすすめします。お芝居が始まってから、台詞の内容に惑わされることなく、台詞を聞いている俳優の顔をじっくり見られるので。ちゃんと観てたら、犯人分かるかもよー(得意顔)。

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