自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

姉が結婚を決めた相手は、かつて妹を強姦した男だった。それを聞いた妹は、東京に出てから初めて故郷に足を踏み入れるが…。

公式ページ

* * * * * * * * *

elePHANTMoonの公演を観るのは三回目なのですが、一番、というか、飛び抜けて好きです。ファンになりました。

前に観た作品はどちらも題材は好きだけど表現が私にとっては露悪的というか、舞台という生のパフォーマンスで、しかも客席の近い小劇場で、そこまでどぎついことをしなくても…と思ってしまったのですが、今回はそういうものが抑えめで、そのぶん言葉のやりとり、気持ちのやりとりが、しんどくなるくらい伝わってきて、これだよ!!と。

何しろ脚本が面白いです。強姦事件を軸に据えてはいるけど、それ以上に深い業を背負った登場人物ばかりで、そんな人たちが自己中心的に行動するからさっぱり展開が読めなくてスリリング。でも適度に笑いもあって見やすいです。笑いもギャグではなく、一貫して人物の業を描いてるのがシリアスに振れたり笑いに振れたりしてるだけ、という作りなので、笑いながらふと怖くなっちゃったり、息を呑んで観てる最中に突然吹き出しちゃったり。ああ、こういうの好き。

役者さんも皆さん素晴らしかったんですけど、特に、姉妹の幼なじみの水道屋を演じた寺井義貴さんが良かったです。次に何するかほんとに読めないの。あと、姉役の山田佳奈さん、もっさりとして可愛くて重たくて優しくて素敵で凡庸で憎たらしくて可哀想で、何しろ素晴らしかった。ひとつの作品であんなたくさんの色見せられるなんて。

セットもよかったなあ。映画のセットほどリアルに作り込まれた姉妹の実家の居間と濡れ縁と小さな庭、たったそれだけのスペースで物語は展開していきます。ところが、姉にとっては生活の場ですが妹にとっては久しぶりの実家、姉の友人である居候や姉妹の親戚女性や幼なじみの水道屋や、同じ場所なのに登場人物のそれぞれに違う意味を持つ場所で、だからそのリアルさ平凡さが物語が進むにつれて気味悪く感じられて面白かったです。化け物は日常に潜むんだよね。

そんなわけでぜひ観て欲しい舞台です。なるべくネタバレしないように書いてみました。水曜まで、駒場アゴラ劇場にて。

公式ページ

公式ページにはキャストのインタビュー動画もありますので観劇のご参考に。こういうのいいですよね、やっぱりどんな人が出てるか観られるって大事だと思う。

トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。