自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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推理小説や探偵小説だけがミステリーではない。
人間の心を深くそそる謎、それが本来のミステリーである。
文豪たちが描いた謎の世界を集めた短編アンソロジー。

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謳い文句の通り、一般的な意味でのミステリー小説アンソロジーではありません。
ホラー、サスペンス、「探偵小説」、広い意味での「謎」を扱った小説が集まって
います。ミステリー好きには少々肩透かしです。

が、ミステリーにこだわらなければ、これは是非読むべき。
文豪の卓抜した文章を初めから終わりまで堪能できます。

私が特に好きなのは、夏目漱石「琴のそら音」と幸田露伴「ばあどるふ」です。

夏目漱石「琴のそら音」、小間使いの老女と心理学者の友人におどかされ、
現実主義者のはずの主人公が徐々に霊の存在を疑いはじめるサイコホラー。
「それから」のラストにあるような、怒涛の思考で自らを追い詰める展開が
ホラーにぴったりでぞくぞくします。かといって全編恐怖で通すわけではなく、
ホームドラマ的な要素もあって、全体の後味はほのぼのとしてユーモラスな
ところが好きです。

幸田露伴「ばあどるふ」、謎の中毒死を遂げた男を巡る文語体の本格ミステリー。
とにかく文章が格好良い!全文、声に出して読みたいほどのリズムの良さ、
単語の美しさ。冒頭の一文で物語世界に一気に引き込まれました。
朗読CDがあったら絶対買います。
落語か講談の形式にして舞台でやってみたいとも思いました。

どの短編も、作者の代表作とは少し雰囲気が違うので、収録されている作家の
ファンなら是非読むべきです。そうでなくても、文章好きには本当におすすめ。
この短編集をとっかかりにして、文豪の作品に触れていくのもきっと楽しいですよ。

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【2009/10/05 10:10】 | おすすめ/本
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