自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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小学校四年生で東京に引っ越して行った多喜二が、高一の夏に
村へ帰ってきた。しかも一人で。
小麦は持ち前の責任感と、母が入院しているさみしさから、
子供のころのように多喜二の面倒を見始めるが…。
岡山の小さな村の高校生たちのひと夏を淡々と描いた作品。

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最近、「町でうわさの天狗の子」という作品で人気の出た少女
漫画家の2冊目の単行本です。

岩本ナオはあまり絵が上手ではないです。
デッサンは狂っているし、絵柄も古臭くて野暮ったいし、トーンの
使い方もうまくなければ描線も強弱がなくてつたない雰囲気。
ただ、瞬間を描く才能が素晴らしいんです。

第二話で多喜二が小麦を意識し始めるときの、ほんの3ページ
くらいの描写、これを読むだけでもこの本を買う価値があります。

多喜二の指をさわる小麦の手のカットから、小麦の横顔のカット、
そして小麦の横顔のアップのカット。間に挿入される回想。

誰かを好きになるときって、その人だけが視界の中でクローズ
アップされませんか?そして、その人との今までのいろんなことが
一瞬で頭の中を巡って、「あ、この人が好きだ」って気付くこと、
ありませんか?

多喜二の表情はほとんど変わらないのに、多喜二目線で描かれる
この3ページで、読者は多喜二の気持ちになって小麦への恋心を
追体験できるんです。ほとんど映画です。

一巻完結のこの物語の中に、たくさんのきらきらした瞬間が
詰まっています。是非ページを開いて、登場人物たちと一緒に
その瞬間を体験してほしいです。

最近恋愛してないなーという方や、ありきたりの恋愛ものに
飽きてしまった方に。絵柄さえ嫌いでなければ定価でも
「買い!」です。

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ちなみに「町でうわさの天狗の子」もとても面白いです。
レビューはいずれまた。

【2009/11/03 08:54】 | おすすめ/漫画
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