自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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あの大人しそうな奥さんが、旦那さんを殺すだなんて・・・。
いくつもお仕事かけもちして、受験生の息子さん抱えて、
それに旦那さんとも手つないで歩いてたことだって・・・、
え?違うんですか?何が?

騙すか騙されるか、作者と読者の一騎討ち。
平凡な事件の裏に隠された驚くべき真相を巧みな筆で
描く短編集。

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今一番イキのいい叙述トリック作家を挙げろと言われたら、
迷わず歌野晶午を挙げます。

叙述トリックというのは、作中の人物が犯罪トリックを
仕掛けるのではなく、作者が地の文や会話の綾をうまく
操って、物語の終盤までわざと読者を勘違いさせておき、
ラストで「実はこういう事件でした!」と大どんでん返しを
やってのける分野のことです。
過去に紹介した乾くるみ「イニシエーション・ラブ」もこの
ジャンルです。

多くの作家が叙述トリックに挑戦し、人物像を深く掘り下げ
たり恋愛ものとからめてみたり、いくつもの傑作が生まれて
います。その中でも、文章を操って読者をミスリードする、
叙述トリックの叙述そのものがべらぼうに上手いのが歌野
晶午です。

ただ、ジャンルの性格上、叙述トリックには長編が多いです。
歌野晶午もその著作のほとんどが長編です。こうなると、
文体の好みやどんでん返しの内容が生理的に合うかどうか
という問題もあるので、安易に紹介はできません。

そこで、この短編集です。どんでん返しのレベルは長編に
劣りません。それでいて、一番短いものは3ページ弱という
お手軽さ。まさに「歌野晶午お徳用お試し詰め合わせパック」
です。

基本、暗いです。気分悪い話が多いです。
「ハッピーエンドにさよならを」という表題がついていますが、
どんでん返しの前からハッピーエンドなんてかけらも見当たり
ません。痛ましい事件が実はさらに残酷な真相をはらんで
いた、そんなお話がほとんどです。

が、それでも、見事にあざむかれたときの爽快感と言ったら、
安易なハッピーエンド話に流す涙なんて比べ物になりません。

島田荘司(実は歌野晶午のお師匠さん筋にあたります)の
御手洗シリーズ短編、東野圭吾のピカレスクもの、星新一の
ブラックなショートショートが好きな方はぜひお試しを。
お気に召したら、同じ作者の「葉桜の季節に君を想うということ」
「絶望ノート」もおすすめします。これらの紹介記事もまた
後日書きます!


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【2009/11/09 08:54】 | おすすめ/本
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