自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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「嘘でもいいから」が口癖のやらせで有名な軽石プロデューサーに
せっつかれ、ADのタックはとうとう自分でもやらせネタをでっち
あげることになってしまった。

苦し紛れにタックがひねりだしたのは、友人から東京湾内の小さな
島を「神秘の秘境」に仕立て上げるというもの。ロケは近場で済む
し、予算的にも大助かりだ。

ところが、最初かやらせ番組を作る気まんまんで向かった一行を
待ち受けていたのは、世にも恐ろしい殺人事件だった…!

島田荘司、異色のコメディ×ホラー×ミステリー長編。

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島田荘司作品の中でもマイナー中のマイナーであり、かなりの異色作。
吉敷刑事シリーズや、御手洗シリーズの中でも「アトポス」あたりから
入った人はかなり面食らうと思います。笑いがふんだんに盛り込まれて
いるだけでなく、文体も軽くて、まるでティーンズ向け文庫で書かれる
「ライトミステリー」のようです。

とはいえ、トリックの巧妙さと物語の残酷性はさすが「新本格の父」。
軽妙なタッチとは裏腹に、物語が進むほど読みごたえは増していきます。
そしてそれを笑いが邪魔することなく、むしろ増幅してまうところが、
やはりこの作家の筆力の凄まじさだと思います。

ユーモアミステリーの特徴である、「キャラクターの濃さ」も、御手洗潔
という稀代の探偵を生み出した島田荘司ならお手のもの。なんといっても
「面白ければなんでもいい」「やらせ上等」、軽薄と無責任を絵に描いた
ようなプロデューサーのキャラクターが最高です。昨今、報道番組や情報
番組のやらせ疑惑が相次いでいますが、この軽石プロデューサーくらい
まで行っていればむしろ気持ちがいいかも。

残念なことに、1980年代に書かれた作品であることも相まって、結構
雰囲気はダサいです。そもそも主人公の名前が「巧(たくみ)」であだ名
「タック」って、ちょっとどうかと思いますよねえ。そのダサさも含めて
楽しめそうならばぜひどうぞ。

すでに絶版になって久しいので、図書館で探していただくのがいいかと
思います。ちなみに、脚本版も出版されているんですよ。

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【2009/12/04 08:51】 | おすすめ/本
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