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自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
アクションSF「寄生獣」で一世を風靡した作者の
時代劇中編集。

渋江政光と疋田景忠というマイナーな武将に焦点を
当て、戦国の世の無常を静かに描ききる。

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冬になるとこの一冊を読み返したくなります。

一般の人が知っている戦国武将はほとんど出てきません
が、史実を知らなくても楽しく読めます。史実を知って
いる人にはたまらない細かい描写もあるようで、歴史
ファンにもそうでないひとにもおすすめです。

岩明均の絵の特徴に「静止している」という印象がある
と思います。敵を斬るといったようなアクションシーンの
コマでも、その前後の動きを想像させるのではなく、
斬った瞬間の壮絶さを、映画のストップモーション的に
切り取って読者に提示してきます。いわゆるアクションで
描かれる主人公のかっこよさ、戦いの壮大さはなりを潜め、
「どんな生き物でも容赦なく死ぬんだ」という事実が
読者の目の前につきつけられます。

この特徴が時代ものにぴったり。「寄生獣」では現代日本
を舞台にし、現在連載中の「ヒストリエ」では古代ギリシャ
の物語を描いている作者ですが、もっと日本の戦国ものを
描いてほしいと私は思います。重い甲冑、動きのない日常
生活、表情を外に出さない文化と、一方で人が簡単に死ぬ
という状況。この雰囲気、空気を描くのに、岩明均ほど
適任者はいないと思うのです。

二作品とも人が死に、つらい話ではありますが、読後感は
すがすがしいものです。上記に加え、雪深い冬の話である
ことが、より情緒を増しているようにも思えます。

漫画好きのみならず、時代小説ファンの方はぜひどうぞ。

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【2009/12/13 14:58】 | おすすめ/漫画
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