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自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
大学三年の冬に、「僕」は塔を建てる男に出会った。

男の美しい娘、かまきりの卵を売る老婆、それを買って
大切に育てる女の子、白ずくめの男性秘書、フランケン
シュタインに似た男、スマートな地上げ屋。

少しずつ奇妙な人々と「僕」との、冬から春にかけての
物語。

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分かりやすい感動も、笑いも、涙もない。
ただ心にいつまでも澱のように残る。
そんな小説です。

おそらくこれは、「向こう側の人間」と「向こう側の
人間になりたくてもなれない人間」を描いた物語です。
「僕」は物語の中で活発に動き回り、時にはかなり過激
な行動に出ますが、どんなに頑張っても「向こう側」
には受け入れてもらえない。一方で、「向こう側の人間」
たちは、ただそこにあるというだけで「向こう側」である。

「向こう側」を「才能」だとかそういうものに置き換えて
読み解くのは個人的にはやめてほしいですけども。

映像にしたらかなり派手になるであろう小説なのですが、
不思議と淡々とした雰囲気で進んでいきます。その感じ
がまた初冬~晩冬という物語内の、そして今現在の季節
感に合っていておすすめです。

絶版になっているようなので、図書館などでどうぞ。

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【2009/12/29 08:53】 | おすすめ/本
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