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自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
住宅街にスナックが出来た。仕立屋の親父は面白くない。
他の親父連中は浮かれているが、自分は断じて認めない。
ほら、ひどい騒音だ、文句言いに行ってやる。
一張羅のジャケットで文句言いに行ってやる。
(「最高級裏地あります」)

哀しくも平凡、可笑しくもズレた人々を描く短編集。

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一人芝居で有名なイッセー尾形さんの小説です。

小説としての出来はそれほどよろしくないです。出来が
いい作品とそうでない作品にばらつきがあり、後者は
地の文に統一性がなかったり、構成がゆるくて「読ませ
どころ」と思われるシーンが盛り上がらなかったり、
オチがなさすぎたり。ということで、そういうことに気が
向きがちな方にはおすすめしません。

これはやはり、「イッセー尾形の一人芝居・紙芝居ver.」
なのですね。文の巧拙だとか小説としての完成度ではなく、
登場人物の細かい仕草や台詞の描写、ひいてはイッセー
尾形の観察眼を楽しむ短編集です。

私が好きなのは、「猫の病い」。題名が物語序盤の鍵を
バラしてしまっているのが残念ですが、自分にも覚えの
ある「動物好きのちょっとズレた迷惑な善良さ」が上手く
描かれています。「冷やかし金魚たち」のような、大人の
「仲良し」同士の微妙な距離感も好きです。

お芝居好きの方、星新一や清水義範を文体を気にせず
アイディアの面白さにのめりこんで読める方に。
ハードカバーなので、中古で半額なら買いといったところ
でしょうか。もちろん、イッセー尾形ファンなら定価で買い
です。

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【2010/02/02 08:56】 | おすすめ/本
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