自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
ランチ700円。Suica5000円、Suicaケース4500円。
北欧風のソファテーブル30万円余・・・。

名手・角田光代が、自らの買い物に寄せてつづる
エッセイ集。

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角田光代で題名が「しあわせのねだん」、とくれば、
さぞや幸せを掴めない、掴んだことを実感できない
オンナたちがもがく好作、と期待して手に取ったら、
小説ではなくエッセイ集でした。そして当たりでした。

「ものの値段」をモチーフにしているのですが、実は
「ものを買うこと、買わないこと、買うかどうか悩む
ことにまつわる幸せ」がテーマなので、中村うさぎ氏
に代表されるようなお買い物エッセイとは全く趣が
違います。

例えば、「Suica5000円、定期入れ4500円」という
題名のエッセイは以下のような具合。

勤め人が二つ折り定期入れをぺらんと開いて
ぺたんと自動改札に押し付けて通るのが実に
羨ましい。自分も「ぺらん、ぺたん」がやりたい
が、仕組みがよく分からない。
友人に助けてもらってようやっとSuicaを購入。
「ぺらん、ぺたん」が目的であるから定期入れも
買いに行く。Suicaに入っているのは5000円程度
であるのにあまり高い定期入れもなかろうと悩み、
結局「ぺらん」と開くタイプでない4500円のものを
買う。
さて、意気揚揚と「ぺたん」生活に入ったものの、
残額が表示されるだけに、減っていくのがやけに
悔しい。Suicaの残額を減らさないために現金で
切符を買ったりして、いやはや、自分で自分が
謎である・・・。

このおかしみ、伝わりますでしょうか?

ほのぼのと可笑しいエッセイが多いのですが、
時々不意打ちで泣かされたりして、やはり名手
は小説もエッセイも上手い、というか、小説と
私小説とエッセイの境がないくらいの人を名手
と呼ぶのだなあと思ったり。

平日8~17時、11時半~12時半が昼休み、と
いう「お役所スタイル」で仕事をする作者の
日常について、また過去の恋愛についても
たびたび記されており、角田光代ファンブック
的な楽しみもあります。これを読んでから
作者のツイッターを読むと更に面白さアップ!

文庫なら定価でも買いです。

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【2010/03/18 08:45】 | おすすめ/本
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