自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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失業したばかりの哲也は、立ち寄ったエスニック料理屋で
激ウマ料理と超ゼツ可愛い韓国人ウェイトレスに惚れこみ、
衝動的に調理場スタッフに応募する。しかし、オーナー
シェフは裏社会のニオイぷんぷんの強面・巨体・筋骨隆々
の謎の男だった。シェフに怯えながらもエスニック料理に
魅せられていく哲也だが、案の定、店の周りには事件が
巻き起こり・・・!?

(料理+人種+アクション)×サスペンス+コメディ=
「スパイシー・カフェ・ガール」!
一巻完結。

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絵には温度があります。
「コボちゃん」は人肌。
「明日のジョー」は38度以上。
「エヴァンゲリオン」は20度以下。
とても乱暴な言い方ですが、言いたいことは分かって頂ける
と思います。

深谷陽の絵は灼熱です。
同じ高温でも人間の体温ではなく、照りつける太陽の熱が
太くうねるような独特のタッチから感じられます。本作品は
そんな絵柄を最大限に生かした作品だと言えます。
描かれているエスニック料理からは、舌を刺すような辛味と
独特の香草の香り、火傷しそうな熱気が伝わってきます。
腹筋ばっちりなヒスパニック系美女の腰つき、マッチョな
シェフのまくりあげた袖のあたり、中東系少女の浅黒い
ぷにぷにのほっぺた、それら全てから、太陽の下で懸命に
生きる人間の生命力が伝わってきます。

そんな中で一人「人肌以下」である哲也も、ただ傍観者で
終わるのではなく、料理人として人間として確実に成長して
いきます。強盗に美味しい料理を作ってやって改心させよう
としたり、言葉の通じない外国人の少女に少しでもなじみの
ある料理を食べさせてやろうと手持ちの食材を工夫したり、
オーナーや周りの人々と関わっていく中で確実に「熱」を
身に付けていきます。

一冊の中でいくつもの事件が起こりますが、核となるのは
前述のアフガニスタン人の少女。ある理由で日本に連れて
こられ、紆余曲折を経て店に居つくことになります。彼女が、
言葉も分からず食べ物にも馴染めない状態から、持ち前の
賢さで仕事を覚え生活のペースをつかんでいく様子が実に
秀逸。ここでも作者の画力がものを言っています。小さな
手でチャパタを器用にこねる手つき、年以上に幼い笑顔と
時々見せる暗い目つきのギャップ。こういったものが絵で
表現しきれているので、説明的な台詞やナレーションが
必要なく、より映画的な作品に仕上がっています。
つーかこの子可愛い。超可愛い。そして実在感があります。
架空のキャラクターなのに、例えば仲のよい友人の子供に
抱くような愛着が湧きました。幸せな大人になってほしい
なあ。架空のキャラクターだけど。

物語の終わりで主人公と読者が向き合う現実は、まさに
スパイシーで、でも温かくて栄養のある、手作りの料理の
よう。定価でもおすすめです。

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【2010/03/20 08:52】 | おすすめ/漫画
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