自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
日本各地の名店を食べ歩き、多彩な表現で感想を
綴った「食の紀行」決定版。著者が著者だけに、
往年の文豪が多数登場するのも文学ファンに嬉しい
しかけです。

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アニメ「ミスター味っ子」をご存知ですか?料理を
食べると口から蛍光色の光が飛び出したり、美味さの
あまり空を飛んだりする大胆な演出で話題になりました。
本書はそれ以上のぶっとび美食エンタテイメントです!

「文章の練習のために書いた」と著者自身が語るだけ
あって、単純な「あの店が美味かった」「この料理が
美味かった」という美食エッセイに留まっていません。
料理はむしろ著者の発想のきっかけに過ぎず、そこから
時の文豪との交遊録に発展したり、関連の詩歌の紹介と
解説が始まったり、時には器や部屋の調度から連想が
展開したり、もちろん各地への旅行記も兼ねていたり、
郷土料理の歴史からちょっとしたトリビアが披露され
たりと、ジャンルを超えて知的好奇心が満たされること
この上ありません。

もちろん、料理の話がおろそかということでは決して
ありません。料理を例える表現だけでも鮮やかかつ多岐
に渡っていて、例えの域を超えて掌編小説のよう。洋酒
仕立ての海亀のスープを食べて海亀に変身!酒の海を
悠々と泳ぐ・・・なんてファンタジックな描写があるかと
思えば、意外な食材から官能小説並みの表現が湧き出て
きたりと縦横無尽。そのくせどの料理も大変美味しそう
で読むだにおなかが減るのですから、文豪の文章とは
罪作りなものですね。

そうかと思えば、「活き作りはいかにも残酷で可哀相だ」
と述べながら、お酒を飲みながら活き作りを食べてみたら
美味しくてもうどうでもよくなってしまうというような、
食いしん坊や飲兵衛なら思い当たるお茶目なエピソードも
ちらほら。

美味しいもの好き、上手い(美味い?)文章好きはぜひ
定価で購入を。
「なんだか難しそう・・・」と丸谷才一を今まで敬遠していた
方にも是非読んで頂きたい一冊です。

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【2010/04/08 08:51】 | おすすめ/本
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