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自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
普通の人に潜む狂気。
異端の人が隠し持つ良心。
人の心をくるりと裏返して見せる鋭い味わいの短編集。

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粒の揃った短編集ですが、私がおすすめしたいのは
中程に収録されている「デジ・ボウイ」です。この
一編を読むためだけにこの一冊を買っても惜しく
ないです!(でもAmazonのレビューでは「デジ・
ボウイだけいまいちだった」なんて意見もあって、
ほんと人それぞれですね…)

現代ものであるという共通点はあるものの割にバラ
エティに富んだ内容の短編集ですが、全体に非常に
シニカルな視点が貫かれています。人間は基本的に
歪んでいるもので、悲劇は基本的に不条理に起こる
もの、という世界観のもとに、主人公たちは容赦
なく事件に翻弄されます。この「デジ・ボウイ」も
その点では同じです。

が、ほかの作品が、「歪んだ部分を隠して正常な
ふりをして生きている人が、歪んだ部分を暴かれる」
という構造であるのに対して、「デジ・ボウイ」
だけは違う構造を持っているのです。どんな構造
なのかは、ネタバレになっちゃうので内緒ですが、
ラスト1ページで涙がぼろぼろ出ました。

これ、「デジ・ボウイ」という作品自体の出来も
もちろん素晴らしいんですが、収録作品の選び方と
並べ方がすごくうまいんだと思います。良い音楽
アルバムのような短編集です。

絶版になったようですが、古本屋さんで見つけたら
買いです。特に、「乃南アサはシビアでちょっと
苦手だな~宮部みゆきくらいがいいな~」という
方に敢えておすすめしたい一冊です。あっあと、
浦沢直樹「PLUTO」の一巻が特に好きという方
にもおすすめします!

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【2010/05/02 08:45】 | おすすめ/本
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