自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
ワタルにはお父さんがいない。
ワタルはじっと座ってられない。
ワタルは象を金色に描いてしまう。
ワタルはいくらでもいくらでも走り続ける。

皆は変な子だと言うけれど、ワタルは全部の理由を
知っている。ワタルのお父さんは、一万二千万年前
のクロマニヨン人なんだ。

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「自分探し」物語です。但し、かなりシビアで現実的。
なのに、気持ちよく泣けて、爽やかな読後感です。

幼年期のユーモラスな語り口が効いています。
何か障害があるのかな?と思わせる問題行動が
あるのですが、くすくす笑えるようなエピソードに
仕上がっていて、おかげでどんどん事態が深刻に
なる少年期・青年期も、主人公と一緒に切り抜けて
いこうという気持ちになります。

後半は悲惨としかいいようのない展開なんですが、
「僕はクロマニヨン人だ!」とまっすぐに信じ続ける
ワタルの妙な明るさに引き込まれてぐいぐい読み
進められます。状況の残酷さと、主人公の内面の
ポジティブさ。この二つの柱がお互いを引き立て
あって物語が進んでゆきます。

クライマックスで主人公は父親と再会します。が、
ここでも現実は容赦なくて、大団円とは行きません。
なのに、どうしようもなく温かくて、どうしようもなく
泣けるんです。ラストシーンの美しさときたら!

自分が誰なのか知りたい人にも、
自分が特別だと思う人にも、
普通でありたいと願う人にもおすすめです。
定価でも買い、どころか、ハードカバーの定価ぶん
以上の価値があります。

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【2010/05/22 08:38】 | おすすめ/本
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