自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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ありふれた離婚裁判。
だが原告はフランス王ルイ12世。
被告はフランス王妃ジャンヌ。
王妃の父である前々王に対する恨みを抱えるフランソワは、
離縁される王妃を見て溜飲を下げようと裁判を傍聴したが、
原告側の卑劣なやり口に怒りを覚え、仇敵の娘であるはずの
フランス王妃の弁護を引き受ける。

愛憎と陰謀の渦巻く宮廷・教会・中世ヨーロッパ政界を舞台に
繰り広げられる法廷サスペンス活劇!直木賞受賞作。

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固~い法廷ものかと思って読み始めたら、予想をいい意味で
裏切るエンタテイメントな出来栄えに驚愕!主人公が法廷で
披露する鮮やかな弁舌にすかっとしたり、かつての恋の回想
にきゅんとしたり、アクションシーンにはらはらしたり、ラスト
シーンにしんみりしたり。
総じて言えば、始めから最後までわくわくしっぱなしでした!

あらすじはテンプレートかっていうくらい王道のハードボイルド。
そう、これ中世ヨーロッパだけど、ハードボイルドなんですよ。
冒頭で語られる若い日の激しい恋、美しい恋人。それから月日
が経っての本編では、主人公は零落し、恋人は手の届かない
ところへ行き、新しいヒロイン(王妃)が抱えて現れた謎の多い
事件に、半ば成り行きで半ば義憤と矜持を持って主人公が
巻き込まれていきます。王道でしょ?
頭脳派の主人公を支えるかつての恋人ゆかりの武闘派キャラ、
人脈と頭脳を持つけど気弱なサポートキャラ、、ヒロインの執事
キャラ、卑劣な敵キャラに食えない中立キャラに刺客キャラ!
もう、『キャラ』って言っちゃうくらい王道。

分かりきっていてつまらなそうですか?
とんでもない、王道だからいいんです。

王道だからこそ、長々しい時代背景や薀蓄の説明文章が楽しく
読めます。王道だからこそ、中世ヨーロッパという縁遠い舞台
設定の中で活躍する主人公に感情移入できます。楽しく読めて
感情移入できるとなると、王家だの教会だのの舞台設定の目新
しさが効果的で、現代ものより心惹かれるきらきらした物語に
見えて夢中になれるんです。

珍しい大道具・小道具・衣装で王道のストーリー展開。
これ最強。

もっともこのパターンは大道具の設計が狂っていたり小道具や
衣装の布地が安っぽかったりすると興ざめなのですが、そこは
もちろんしっかり作られています。
王や王妃はともかく、フランソワや周りの人物は架空のはずな
のに、まるで歴史に記録されている実在の人物であるかのよう
な錯覚を覚えます。前半は時代背景の説明が多いのですが、
説明をしっかりしているからこそ中盤・後半のスペクタクルが
生きてくるんでしょうね。

王家の血筋の把握などが若干面倒ですが、そのあたり大丈夫
な方なら是非読んでください!
離婚が題材だけあって、この時代における女性の立場について
も結構掘り下げているので、漫画「女帝エカテリーナ」や映画
「エリザベス」「カストラート」あたりが好きな方にもおすすめ。
文庫なら定価ぶんの価値ありです。

但し!
濡れ場やきわどい表現を含む法廷シーンが結構多いです。
エロ苦手な方や、読書時間=通勤時間な方にはおすすめ
できません。あしからず!

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【2010/05/29 08:49】 | おすすめ/本
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