自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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鼻もちならない気障で洒落者でフランスかぶれ。
同じ新聞社にいた頃の倉田氏の評判はそんなところだった。
ところが葬儀の席で会った人々が語る倉田氏は、社内の評
と異なるどころか、それぞれ全く違う人物像だった。

表題作ほか、人の多面的な側面を鋭く切り取る短編集。

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山崎豊子と言えば「沈まぬ太陽」「白い巨塔」など、超大作の
印象が強いですが、これは5ミリくらいのめちゃめちゃ薄い
短編集です。それでいて山崎豊子テイストはしっかり保って
いるので、「読んでみたいけど長いのばっかりで手が出ない」
と言う方におすすめ!

人間の多面性と言っても、悪い人と評判の人が実はいい人
だったとか、そんな単純な話ではありません。表題作の倉田
氏なんか、客観的に見ればやっぱりダメ人間。でもダメ人間
が見せた一瞬の輝きとかそういう部分ではなく、ダメ人間でも
心酔している妻や娘だとか、美点なのに時勢などが邪魔を
して人に受け入れられなかった部分だとか、そういうところを
十二単の様に重ねて重ねて書いているので、短編なのに
恐ろしい程の重厚感。山崎豊子の醍醐味たっぷり!

道ならぬ恋から落ちぶれて暮らす夫婦を描いた「晴れ着」も
哀しくて美しくていびつでおすすめです。

漫画ならよしながふみ、
映画なら「ニノチカ」、
小説ならチャンドラーが好きな方にはそれぞれ絶対おすすめ。
それ以外でも古本屋で半額なら買いです。
良いハンバーガーのように、さくっと摂取できてずっしりお腹に
溜まり、しっかり栄養になります。

【2010/06/26 08:23】 | おすすめ/本
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