自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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12歳のクロエは、女の子同士の足並み揃えた友達付き合いを
逃れるために、一度しか会ったことのない伯母の家で夏休みを
過ごすことにする。

180cmの長身にもじゃもじゃ頭で痩せぎす、独身で大きな黒い
犬と暮らす伯母は、車でホットドッグやサンドイッチを売る仕事を
していて、長年売上げナンバーワンを誇っている。ところが、
同じ会社の若い美人販売員が、Tバック姿でホットドッグを売り
始めて…!?

自由と権利と責任についての優しく厳しいおとぎ話。

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タイトルと岩波少年文庫という出版形態のギャップにびっくりして手に
取った本。でも、まぎれもなく少年少女向けの小説でした。

女の子同士の「みんな一緒」「みんな仲良く」という無言の圧力に辟易
している主人公。でも、仲間外れが怖くて、パジャマパーティーを断る
ことすらできないでいます。そんな12歳の女の子が、伯母さんのもとで
一夏を過ごし、Tバックを巡る大騒ぎに巻き込まれることで、自分らしく
振舞う勇気を身につけていく物語です。

Tバックの販売員が出現し売上げを爆発的に伸ばすことで、販売員の
間にも軋轢が生じ、また教会やうるさがたのおばさま達が「破廉恥だ」
とクレームをつけ、マスコミが報道し、主人公のクロエと伯母さんも否応
なしにその騒ぎに巻き込まれていきます。

「人にはTバックを着る権利がある。私にはそれを支持する権利も反対
する権利も、どちらもしない権利もあるし、その理由を説明しない権利も
ある」と淡々と語る伯母さんが実にクール!万事この調子の伯母さんが
クロエに色々なことを教えるともなく教えていくやり方がとても素敵です。
クロエが泳ぎを覚えるエピソードなんか最高!

物語のもう一本の軸としてクロエとTバック販売員の息子の、恋のような
友情のような反目のような、一言で表しづらい感情のぶつかり合いが
あります。全然好感がもてない相手なのに、何故かまた会いたかったり、
いいところだけ拾って故郷の友達に自慢の手紙を書こうとしたり、これぞ
12歳!という感じ。

描写がかなり抑制されていて、周りの人物はもちろん、主人公のクロエの
感情も余り描かれないので、読む技術は結構要ります。小説好きの大人
が読んでちょうどいい位の「説明しなさ」。でも、子供同士の人間関係に
悩んでいる小学校高学年~中学校二年くらいの甥っ子か姪っ子がいたら、
「気が向いたら拾い読みしてごらん」と手渡したい本でもあります。

というわけで、小説好きの大人と、人間関係に悩んでいる11歳以上に
おすすめします。
この作者の「クローディアの秘密」も良いので、そのうちご紹介します。

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【2010/07/06 08:13】 | おすすめ/本・児童
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