自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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「私の娘はこのクラスの生徒に殺されました」
女教師はクラス全員の前で淡々と語り始めた。

関係者数名の語りで構成される、多角的ミステリ。

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最初は、女教師による犯人探し物語だと思って
読み始めました。が、犯人は序盤であっさり明か
されます。名前は伏せられていますが、伏せられ
ている意味は見当たりません。

次の章で語り手はクラスの女生徒に交代します。
ここで、「あ、一つの事件について色んな人が
語って、どんでん返しを経て真相が明かされる
パターンだな」と思いました。

読み進めるにつれ、その確信は深まりました。
ただ、よくある同じパターンの小説と違って、
章が進むごとに時間軸が進み、事件が少しずつ
進行していく部分が面白いと思いました。同時に、
「いろんな人に語らせるのは面白いけど、一人
一人の語る内容がちょっと一面的で薄いな」と
感じました。また、序盤で犯人の名前を伏せた
と同じく、よく分からない懲り方をした部分が
多いなと思いました。うーん、ハズレだったかな、
と思いました。

読み終わりました。
作者の罠にまんまとはまっていたことが分かり
ました。

もう一度読み返しました。
初めに読んだときより、ずっと恐ろしい物語に
感じました。

これは「犯人探しもの」でもなければ、「複数の
語りで真相が明かされる『戦火の勇気』もの」
でもありません。作者の罠、と書きましたが、
叙述トリックの類でもありません。

人間って怖い。
そう思わされる作品です。
それでいて最高に面白いエンタテイメントです。

おすすめです。但し、読後感はよくないです。
事態は解決しません。みんなが幸せにはなり
ません。そういう意味では、ミステリじゃなくて
サスペンスなのかも。

文庫版の巻末には、映画版『告白』の監督の
インタビューが収録されていてこれがなかなか
面白いです。本編をつるっと読めてしまった方
でも、このインタビューを読むと本編の怖さが
分かるという親切仕様でもあります。

映画も観てみたいと思います。

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【2010/07/27 07:35】 | おすすめ/本
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