自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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ギャグ漫画家・若狭たけしとその担当・M氏が、
東京・神奈川・京都の本屋さんに突撃取材。
「売れる漫画とは何か?」をメインテーマに、
本屋さんの本音を聞いたルポ漫画。一巻完結。

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本文中で自虐的に語られている通り、爆笑する
ような面白さはありません。そして、当たり前かも
しれませんが、「売れる漫画って何?」という問い
にも答えは出ません。

この本の面白さは、本屋さんで働く実在の人たち
が、本を売るためにどんな努力をしているかが
垣間見えるところにあります。で、それって、単に
売るための努力というよりは、「自分の職場をより
良くする努力」「お客さんに喜んでもらう努力」なん
ですよ。
本という、生活に絶対必要ではない、でも人生に
あるとないでは全然違う、そういうものを小売で
扱っている、つまり生身の人間対人間で売っている
職業の人ならではの、職業倫理や哲学や遊び心。
そういうものを知ることができるのがこの本の良さ
です。

「表紙がかっこいい!惚れた!」という気持ちだけ
で一冊の本をブームにしてしまう店員さんや、
毎週毎月、売上の詳細なデータと分析を作成して
各出版社にFAXする店員さんや、
「自分のおすすめ本なんか必要ない」と言い切り、
自分の好きでないジャンルを敢えて推す店員さん。

やり方はまったくばらばらだけど、共通しているのは
「お客さんにいい本に出会って欲しい」という気持ち
です。

で、そんな本屋さんたちが、インタビューの合間に
この連載自体に対するダメ出しをしたりするのです
が、これがまた具体的かつ的確で面白いのです。
「ルポ漫画を読む読者はこうこうこういうものが読み
たいんだから、第〇回のエピソードはこう直すべき」
なんて具合で、またその指摘を受けて直した漫画
が面白かったりして、意識してなかった読み手側、
つまり自分の欲求を、見知らぬ書店員さんに指摘
されてしまうという。

あとがきで詳しく語られているのですが、そもそも
この単行本の装丁も、本屋さんのアドバイスを
取り入れて作られた「売るための」装丁だそうです。
全編読み終えて、あらすじを読んだあとで改めて
装丁を見ると、思わず唸らされます。

また、表紙やあらすじではまったく触れられていま
せんが、作者と同行する編集者M氏の話もかなり
面白いです。「ある漫画を売るために、連載時とは
題名を変えて単行本を出す、さてどんな題名に
するか」という話には特に感心しました。

M氏と書店員さんが意気投合して悪ノリ気味に繰り
出す「どうしたらこの連載の単行本が出たときに
売れるか」話も、悪ノリに隠されていますが意外と
理に叶っていて、また感心。

本屋さんに興味がある方、
職業ものの小説や漫画・ルポが好きな方なら、
漫画好きじゃなくてもおすすめです。

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【2010/10/18 07:51】 | おすすめ/漫画
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