自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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動物並みの五感を持ち、大人以上の判断力を持ち、
子供ならではの残酷さでそれらを操る最強の暗殺者
ルカ。彼女がさらなる能力に目覚めるとき、世界が
震撼する…。

一人の少女の数奇な運命を、国内外を舞台に壮大な
スケールで描く。

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これは困った。
伏線がすごすぎて、あらすじがほとんど書けません。
Amazon商品ページのあらすじもネタバレなので読ま
ないでほしいです。
ていうか読む必要ありません。文句なしに面白い、
アクション娯楽大作です!

ド派手なアクション。
強大な敵が次々登場するスピーディな展開。
強さと弱さと優しさと腹黒さをない交ぜに持ち合わせた、
華やかなキャラクターたち。
まるでハリウッド映画を観ているかのような爽快感が
味わえます。

その一方で、小説ならではの魅力もあります。

ひとつは、大量にはりめぐらされたさりげない伏線です。
伏線と気づかないくらいさりげないのに、真相が明かさ
れる段になるとばっちり生きてきます。伏線ではなく叙述
トリックと呼びたいような見事さです。声が出ますよ、
「ああー、そうだったのかー!」って。

もうひとつは、主人公の成長です。初めは「恐るべき子供」
として登場するルカが、次第に人間らしく変わっていく過程
はかなり読み応えがあります。人との関わりの中で精神的
に成長するだけでなく、肉体的な成長にひきずられて精神
が成長する、という展開が盛り込まれているあたりが、
恩田陸ならではの細やかさ。単にビジュアルがかっこいい
というだけの理由で十歳の女の子を主人公にしているわけ
じゃないんだなあと感心しました。

個人的に好きなキャラクターは、高橋シスターとシェパード
犬のアレキサンダー。高橋シスターについては、これまた
何を書いてもネタバレになるので書きづらいのですが、
アレキサンダーは冒頭から活躍するので書いても問題ない
かな。問題あっても書いちゃおう、あまりに好きだから。
アレキサンダーは主人公と同じく特殊能力を持ち、人間の
言葉もほぼ理解するスーパー犬です。アレキサンダーが
犬らしいやり方で主人公を気遣う描写などは、犬好きとして
たまりません。それに、大型犬と幼い少女のコンビが暗闇
の中を跋扈して、大の男たちをばったばったと倒していく
描写のかっこよさと言ったら!あー、映像で見たい!

宮部みゆき「クロスファイヤ」、筒井道隆「七瀬、ふたたび」、
東野圭吾のピカレスクもの、浦沢直樹「MONSTER」、吉田
秋生「夜叉」、高橋留美子の伝奇アクションもの、そして
大型犬が好きな方に。
それから、緻密な伏線に騙される爽快感を味わいたい方に。
定価でもおすすめです。映画一本分楽しめるんですから
安すぎるくらいです。

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あ、でも言っておきますけど、娯楽大作ですからね。謎の
組織とか超能力とか聞いただけで噴飯しちゃう方や、政治
的にリアルじゃなかったりするとついていけない方には
おすすめしません。そのへんの難しい理屈をすっとばして
派手さと爽快さを優先したからこその面白さが詰まった
作品です。

【2010/10/30 08:02】 | おすすめ/本
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