自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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妻が死んだ。失意のまま、ごみための中で
暮らしていた参平は、ある日、妻が遺した
一冊の分厚いノートを見つける。

ノートには、家族一人一人についての詳細な
覚え書きが記されていた。息子の詩郎につい
ての「詩郎録」、息子の妻・礼花についての
「礼花録」、孫の乃菜についての「乃菜録」、
そして参平についての「参さん録」。それは
ただの覚え書きではなく、もし自分が先立った
場合に参平が不自由せずに暮らせるようにと、
妻が丁寧に書き溜めた家事指南書でもあった。

もう誰も呼びかけることのない「参さん」という
呼び名が記されたノートを手に、参平は「主夫」
として第二の人生を踏み出す。

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なんかこんなふうに書くとものすごくシリアスな
お話みたいなんですけど、コメディです。しかも
脱力系。

参平に対して心配半分うとましさ半分、親子なの
に「じいさん」呼ばわりの息子・詩郎。

いつもにこにこ明るくて優しくて美人で完璧な嫁、
のはずがたまに広島弁まるだしでめっちゃくちゃ
怖いザ・天然の礼花。

顔・地味で変、性格・地味で変、振る舞い・地味
で変、祖父のひいき目に見てもどうにも可愛さに
欠けるジミヘンづくしの孫・乃菜。

ここに詩郎を引き抜こうと虎視眈々のキャリア
ウーマンが加わって、一話読み切りの短編集
形式で奥田家の日々が描かれます。

離れて暮らしていた息子家族に対する参平の
妙に冷めていたり遠慮していたりする様子が
面白いです。地味顔の乃菜が綺麗なドレスを
着せられているのをつくづくと眺めて「これは
本当に可愛いのか?」と悩み(しかしベタ褒め
する息子夫婦には言えず)、家族の洗濯物を
引き受けたはいいが嫁の下着を手に取っても
いいものか悩み(そして孫に不名誉な誤解を
受け)、息子を引き抜きに来た女性ヘッドハン
ターを浮気相手と勘違いして悩み(挙句いらぬ
お節介を焼いてあとでひどく恨まれ)、悩み
悩んで結果オーライな日々。結果オーライを
重ねるうちになんとなく、妻のいない生活、
息子家族との生活、新しい生活になじんでいく
日々。

お話の中に登場する「奥田家の記録」は実際
にちゃんと役に立つものばかりで、一人暮らし
や主夫(主婦)初心者にもおすすめです。私も
アイロンのかけ方とさばの味噌煮の作り方には
お世話になりました。

あんまり良いのでいろんな人に貸しているんで
すが、そのうちの一人がいいことを言ったので
引用させてもらいます。

「最初のうちは『奥田家の記録』の登場頻度が
高くて、知恵袋まんがっぽいんだけど、後半に
行くにつれて『奥田家の記録』があんまり出て
こなくなるんだよね。でもそれは連載の方針が
変わったってことじゃなくて、『奥田家の記録』が
主人公に必要じゃなくなっていく、主人公が
奥さん離れしていくってことで、つまり初めから
『奥田家の記録』は物語上の仕掛けなんだね。
メインではなくて。
あのノートが物語からフェードアウトしていく感じ
が、主人公が奥さんの死からゆっくり回復して
いく感じとリンクしていて、とてもいいんだよね」

はい、もう、その通りです。

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【2011/01/20 07:55】 | おすすめ/漫画
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