自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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装甲車のような寝台型車椅子が街を疾走する。
乗っているのはピアスにサングラス、くわえ煙草の男。
スケートボードに乗ったカメラがそれを追いかける。

マイノリティの概念を根本から覆すドキュメンタリー。
の、概念を、根本から覆す「ドキュメンタリー」。

佐々木誠公式サイト

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冒頭、スケボーに乗りながら撮っているらしい、あまり
上手とは言えない映像。観終わった今思えば、ここ
からもう佐々木監督の罠が始まっているわけです。

画面のそこここに不穏と疑問の小さな竜巻。
半身不随の門馬氏は、世間一般の「身体障害者」の
イメージから分かりやすく乖離しているのだけど、
彼の介助者や恋人あたりになってくると乖離具合が
すごくもやもやしてて気持ち悪い。

で、一番もやもやして気持ち悪いのが監督。カメラを
自分で回しているので、画面にはほとんど映りこまず、
声と発言内容と周囲の人(つまり被写体たち)の反応
で判断するしかないのだけど、

門馬氏と仲がいいのか悪いのか、
門馬氏をどう思っているのか、
そもそもほんとに映画監督なのか。
分からない、もやもやして気持ち悪い。
監督の存在そのものが現実から乖離してて、
でも乖離しきってなくて、なんともふわふわしてる。

このもやもやは二部構成の第二部に持ち込まれ、
第二部で一瞬解決されたように見えるのだけど、最後に
また分からなくなる。

三部構成とのこと、たぶん第二部、第三部と、さらに
解決されては煙に巻かれるんだと思います。
そう、煙に巻かれてるんですよねー。
ふわふわもやもやしてるんだけど、でも絶対意図的に
ふわふわもやもやさせられてるんだって感覚はある。

気持ち悪い気持ち悪い言ってますけどすごく面白いん
ですよ。なんだけど、すごく面白いって思って観てる
自分の下世話さみたいなものを、古い刑事ドラマの
刑事手帳みたいにちらちら監督に見せつけられてる
気持ちになる瞬間があって、それがまた気持ち悪い。

なんかよくわかんないけど神様はいる、みたいな感じで
なんかよくわかんないけど監督に踊らされる23分間。
マイノリティにもセックスにも興味なくてもおすすめだけど
そんな人いないですよね、つまり興味ありますよね皆、
だから大変おすすめなのです。
見世物小屋でも見るような下世話な気持ちまるだしで
観たほうがいいかも、って、いい子ぶりたがるタイプの
私は思いましたよ。

佐々木誠公式サイト

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