自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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「天下に比類のない、五重の塔そびえる天守を建てよ」
十五年来信長の戦に付き従い、城ややぐら、ありとあらゆる
ものを信長のために建てて来た又右衛門に与えられたのは
今までにない難題だった。信長の出す無理難題と取組み、
織田を覆そうとする者たちの妨害と戦い、集まった膨大な
人数の名工たち下働きたちの様々な軋轢と格闘しながら、
又右衛門は前代未聞の巨大な城を建てるのだった。

安土城の建設の真相を巡る一大スペクタクル。

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映画を先に観たんですが、細かいことは抜きにしても、
なんだか主人公像がしっくり来なかったんです、私には。
明らかに中間管理職で仕事中毒のお父さん、っていう
描かれ方で、もちろんそれに共感できる人もたくさんいると
思うんですけど、私はダメでした。西田敏行さんはめっちゃ
かっこよかったですけども。

さて原作。主人公は中小企業のワンマン社長にして最高の
職人。他の名工たち、信長に仕える武将たちもそれぞれが
ワンマン社長。その頂点に燦然と君臨する大ボス・信長。
そうですよね、やっぱそうじゃなくっちゃ。

そして、ちょっと甘ちゃんな二代目・以俊の成長記でもあり、
ということは又右衛門率いる岡部一門、つまり一つの企業の
年代記でもある。映画では以俊が娘に変更されちゃってた
んですよねー。

なんというか、映画が「ドカベン」だとすると、原作は「キャプ
テン」って感じ。そういえば「キャプテン」はかなり原作に忠実
にアニメ化してて、それが子ども心には平坦で面白くなくて、
でも原作読んだらめちゃめちゃ面白かったっけ。

文体はさっぱりしてて読みやすいです。うんちく部分は読み
飛ばしてもOK、細かい歴史の知識もいりません。ただ、
意外と主人公の心理描写が少なめなので、行間読まないと
感情移入しづらい部分が少々。逆に伏線は分かりやすーく
張られている割にひっぱりすぎなので、伏線が気になって
本編がまだるっこしい部分も少々。映画はさすがにその辺が
うまく整理されてました。

基本的に「信長、無理難題を出す」→「又右衛門、知恵を出し
周りと協力してそれを解決する」の繰り返しなので、Amazon
にもありますが「プロジェクトX」とか「プロフェッショナル 仕事
の流儀」とか「劇的ビフォーアフター」とか好きな方には大変
おすすめです。

また、歴史の知識はいりません、いりませんが、安土城の地下
に何を埋めたか、とか、何故安土城は燃えたか、とか、安土城
を巡る数々の謎にこの小説なりの答えを散りばめているので、
マニア心もくすぐる作りになっていると思います。

魅力的な登場人物も多いので、キャラクターで押すお話が
好きな方にもおすすめ。個人的には、2、3シーンしか登場
しない秀吉の豪放でひょうきんな感じが大好きです。

おすすめ。

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