自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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いやいやながら訪れたサマースクールで、少年は
信じられない狂乱の世界を見る。祖父の遺品である
植物図鑑と同室の少年だけが味方の、赤い狂乱の
世界…。(「赤の世界」)

架空の戦争をめぐる連作短編漫画集。一巻完結。

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西洋っぽい、20世紀っぽい世界観だけど、具体的な
国や時代の記述はなく、たぶん架空の世界。そこに
起きたひとつの戦争にまつわる、4本の短編読みきり
漫画がおさめられています。

4本の作品は世界観が同じというだけでなく、例えば
表題作「赤の世界」の主人公の祖母が別作品の主要
キャラクターだったりして、お互いに緩くつながって
います。一作一作、きちんと作品として完結している
上に、このリンクの仕方が見事。
全部読み終えて人間関係とできごとを頭の中で整理
すると、穏やなよき父と見えたある人物の仕事内容の
凄惨さが見えてきたりします。4作品通して読むことで
それぞれのお話の深みが増す、連作であるべくして
連作である一冊です。

絵もお話にとても合っています。特に好きなコマが2つ
ありまして、

3作目「鳩の翼」で、擬人化された鳩がまっしぐらに飛び
立つときの顔のアップ。擬人化されているのに、明らかに
人ではない人智を超えたモノのカオをしていて、ぞくぞく
します。

4作目「掌の花」、手のひらで触れた相手を石に変えて
しまう能力を持った少女と、彼女を世話する看守の男の
ラブシーン。男の背中に手を回さない、だらりと垂らした
少女の手がなんとも切なく、美しいです。

もう少しこの世界の人々に触れたい、あと何作か続きを
読みたいと思える良作。おすすめです。

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