自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
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ちっぽけな古本屋の奥で、古本の管理も碌にせず、
日がな一日手紙を書いたり読んだりしている主人と
秘書。それもそのはず、古本屋で一年に稼ぐ金額を
二日間で、しかも手紙をやり取りするだけで稼げる
商売を発明したのだから…。(「古本屋」)

「この20ポンドはする絹の傘を差し上げます、その
代わり1ポンドいただけませんか?足が痛くて、
タクシーに乗って帰りたいのです」とても品の良い
老人に懇願され、母子は傘と1ポンドを引き換えに
したが…。(「アンブレラ・マン」)

国で一番、それも飛びぬけて醜い男ヘンギストに
国王が与えたとんでもない褒美、それは「王女を
含む国中のすべての女を好きにしてよい」という
ものだった。家臣たちは憤り、女たちはおびえた
が…。(「王女と密猟者」)

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イギリスに昔から語り継がれる小噺、と言われたら
信じてしまうほど、見事にまとまって風格のある
短編小説集。

ロアルド・ダールは原書でも少し読みましたが、
日本語で読んでも印象が全く変わらない、という
ことは、翻訳もとても良いのだと思います。

私が特に好きなのは、上に挙げた「王女と密猟者」。
お伽噺っぽい序盤から筒井御大風味のご褒美が
国中を慌てふためかせる中盤ときて、ラストが
とてもキュートなのです。ロアルド・ダールの文体は
とても簡素なのですけど、修飾語の選び方とか、
ほんのちょっと台詞に足された味付けが絶妙に
効いていて、王女と醜男がどちらも最高に可愛く、
そして王様が小憎らしくも素敵に見えてくるんです。

オチが分かっちゃう作品もあるんですが、オチに
期待するよりは古き良きイギリスの空気感を
楽しむ作品だと思います。
勝田文「プリーズ・ジーヴズ」や草川為の短編が
好きな漫画読みさんにおすすめしたいとこです。

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