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自主映画や小劇場を中心に活動する俳優・外山弥生の記録です。
気づいたら半年もブログを書いていない…!

息子はもうすぐ2才です。3日前から三語文をしゃべりはじめまして、「かあしゃん、ぶしぇ、のった(お母さんとバスに乗った)」とか、「とーとー、ちぇんぷんち、っちぇて(お父さん、扇風機つけて)」など、発音はまだまだ親にしか分からないレベルながら過去形だの命令形だの使いこなしており、なんだかすっかり人間だなあ君、という感じです。

ちなみに「かあしゃんわー、○○(自分の名前)の、まま」と言ったので、「かあしゃん」は固有名詞、「ママ」を一般名詞と認識している模様。どうも、外山かあしゃん(ミドルネーム)弥生です。むしろ外山かあしゃん(ファーストネーム)です。

まあそんなことはどうでもよくてですね、久々におすすめブログを書きたくてログインしました。これです。

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アガリスクエンターテイメント第24回公演~その企画共謀につき~「そして怒涛の伏線回収」

とりあえずですね、「伏線」「脱線」「メタ」、この3ワードを聞くとわくわくしちゃう人は観にいくべき。
今週24日(日)までです。新宿です。上演時間2時間です。

導入部分のあらすじを書きます。

 とあるさびれかけた商店街の組合・青年部の会合に、かつてこの街で生まれ育ったコンサルタントがやってきた。彼を招いたのは、同じくこの街で生まれ育ち、今も商店街で肉屋を経営する幼なじみ。旧交を温める和やかな空気の中、商店街活性化の対策会議が始まった。
 ところが、彼の提案は商店街のシンボルである○○を××すること。○○に思い入れのある青年部の面々は、彼を招いた幼なじみも含めて全員大反対し、提案は却下、会議はすぐに終了するかと思われたのだが…!?

何がいいって、この作品、「伏線を回収しまくる」という脚本の凄みを見せるコンセプトながら、その展開を役者の力を信じて、役者の身体の説得力をエンジンに進んでいくんです。脚本を楽しみにきた観客たちは、結局演劇の力を目一杯楽しんでしまう。

その最たる存在が、コンサルタント役の伊藤圭太さん。冒頭、会議がすぐ終了するかと思われた瞬間に彼が繰り出す一手がかなりアクロバティックなのですが、彼の表情、座り方、そのたたずまいを見ていると、「そうか、ここまでする理由が、今は明かされていないけど彼にはあるのだな」と思わされます。さらには「ああ、こういう感じの頑固な子供だったんだろうなあ、そうやって育ったんだなあ」とも。

というか、冒頭ですでにトップギアなのに、2時間ギアを上げ続けるんですよ。これ、もう、観ていただくしかないと思うんですけど、なんというか、2時間全力で体操の全種目( つり輪・あん馬・鉄棒 · 床運動・平均台・段違い平行棒…)を見せられてた気分。終演後、拍手じゃなくて拳を突き上げたくなる気分。

というのが伊藤さんだけじゃないんですね。基本、全員です。12人のキャストが2時間全力でオリンピック全種目を(略)全力ってそれだけですごい。そして、その力がこのとんでもない(褒めてます)脚本をぐいぐいと、たぶん普通にやったら3時間超える脚本を2時間弱でぎゅんぎゅんと進めていきます。

一方でこんなものも配られます。伏線回収メモ。

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クリックで拡大できますので、ネタバレOKな方はご覧ください。

あ、そうです、この公演、元々「その企画共謀につき」という、演目から観客参加型で決める公演なので、本番中のネタバレもなんでもOKなんです。

会場の写真アップもOK。役者が衣装&メイクのままでもOK。

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右手前でひっそりとアフタートークが開催されてます(笑)共謀企画らしく、お客さんがアフタートーク参加してます(笑)

話を伏線回収メモに戻します。観劇しながら好きなように書いてOK。全伏線が回収されたかチェックしながら楽しんでくださいというものです。ご覧の通り、後半に行くにしたがってぎゅんぎゅんスピードアップするので書くひまがなくなってます(笑)冒頭は一生懸命メモったのですが、手元を見る時間が惜しいのでぐちゃぐちゃ書きでごめんなさい。自分が何を伏線と思うか、が理解できたのも面白い副産物でした。年齢と家族構成めっちゃメモってる。

会議は「12人の怒れる男」ばりに、いや「12人の優しい日本人」ばりに、いや同劇団の「ナイゲン」「紅白旗合戦」ばりに、つまり、正論と屁理屈と新事実発覚の連発によって思わぬ方向に進んでいきます。初めはコンサルタントの提案に反対だった青年部のメンバーが一人、また一人と提案に賛成し始めるのと、そのそれぞれの理由がめっちゃ楽しい。

だけじゃない。

青年部の意見がまとまったときに、またしてもコンサルタントの彼がありえない行動をとります。収束すると思われた会議は大紛糾。だけど、彼の主張を聴くうちに、青年部の面々も今度は自主的に商店街改善のアイディアを出し始め、そして、会議開始時には思いもよらなかった画期的な起死回生のリニューアル案が…!

だけじゃない。

二度もまとまりかけた会議、が、だがしかし、ここからが本番なのです。それが伏線回収メモの最後の欄、「怒涛の伏線回収」なのです。そしてこれを力いっぱい楽しめる人、それは「伏線」「脱線」「メタ」が大好きな人、つまり私のおともだちです。仲良くしてください。

アガリスクエンターテイメント第24回公演~その企画共謀につき~「そして怒涛の伏線回収」
今週24日(日)までです。新宿です。上演時間2時間です。

映画の字幕などやらせていただきつつ過ごしております。

20時には眠くなる上、母でないとどんなに眠くても寝ない、
号泣し続ける、寝付いたあともちょいちょい母の存在を確認、
いないと号泣して寝ない、まさに号泣する準備ができている
小さい人と暮らしているので、なかなか夜の外出が難しく、
自然と撮影・録音の時間は限られますし、舞台出演や観劇は
まだ当分先かなあという日々です。

でもそれがつらいかというとそうでもなく、小さい人が寝たあと
少し映画を観たり本を読んだりして、やがて小さい人の隣に
もぐりこんでぬくぬく眠るのが結構幸せ、そんな日々です。

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そらでいえる絵本は20を越えました。(我ながら気持ち悪い)
息子のボキャブラリーは30を越えました。

少し落ち着いたら本や映画の感想をまた書きたいです。

ではでは。

旧いお付き合いの諸江亮監督からお声がけいただきまして、脚本の英訳と台詞指導を担当いたしました。



「指導」なんて言葉がつく役回りは僭越すぎてうわーとなってましたが、とても楽しいお仕事でした。

見ていただくと分かりますが、もう設定がかなりぶっ飛んでます。いただいた日本語の脚本をゲラゲラ笑いながら悪ノリぎみに数パターン翻訳し、諸江監督に「こっちとこっち、こうニュアンスが違うんですけど、どっちにしましょう?あと、ここちょっと超訳(なつかしワード!)しちゃっていいですか?」なんて楽しくご相談し、当日までに俳優さんに聞いてもらう台詞を全部自分で喋って録音し、クラウドにアップし、

ここまでほぼスマホ(+ちょっとPC)でやりました。
スマホすごい。

当日はこれも旧いお付き合いのメイクの藤本麗ちゃんと久々の再会を果たし、楽しく撮影してまいりました。

主役の大須みづほさん、ほとんど英語を話したことがないそうです。それでこの台詞量。しかも脚本と録音を渡されたのはたぶん撮影の2、3日前…。すごいガッツだと思います。撮影中もカットがかかったらすぐ次の台詞の練習、休憩中も台詞の練習、とにかく熱心な方でした。それに可愛いよね。ラストカットが超かわいくて好きです。実は本読みも動画を撮って送っていただいて発音チェックしたりしてたのですが、座って台詞を読んでるだけでもあのシーンの表情めっちゃ可愛くて、あれ、世の中に出ないんだなあ、本読みだから。もったいない。普段は楚々とした方なのに、英語で演じてる間にどんどん草薙素子かカヨコ・アン・パターソンかって雰囲気になっていったのも面白かったです。

大須みづほさんは、他作品で1人8役を演じたりもされてます。こちらもネットで観られるのでぜひ観てみてください。

女優・大須みづほが1人8役!? 異色の2分動画『私とわたし』が期間限定公開!
http://next.spotlight-media.jp/article/358656921159769678

他のキャストの皆さんも、台詞がほとんどないぶん細かい工夫を凝らして演じてらして、麗ちゃんと二人で声を殺して笑いながら撮影を見てました。個人的にはイチローさんがお気に入り。

そして仮編集のチェック、録音的に聴き取りづらかったりする台詞のチェックと差替え、完成版のチェック、エンドロールの翻訳、

全部スマホです。
スマホすごい。
スマホのおかげで子供が1歳でも映像のお仕事できてるといっても過言ではない、今回に限らず。

というわけで、ぜひぜひご覧ください!
スマホでも観られるけど通勤通学中に観ると周りの人にびっくりされるのでご注意を!

謹んで初春のお慶びを申し上げます。

仕事というのは不思議なもので、今年は分不相応なくらいのお声がかりがあって評価もされたなとか、今年はどうにも納得のいかない現場ばかりになってしまったなとか、なんとなく年ごとの傾向があるんですね。

2016年は子育てをしながら、いわゆる育児時短的なスケジュールながら、いえ、育児時短的なスケジュールな上にユニークな作品と仕事内容に恵まれたなと思います。それがどれもこれも昔からのご縁の方繋がりで、やはり人と人だなあ、ありがたいなあとしみじみ。

そして、あちこちお仕事に出かけて行けるのは、家族のサポートあってこそ。私含め家族全員が健康だからこそ。これは本当にしみじみとありがたいことです。特に息子が何事もなく元気に育ってくれているのは本当にありがたい…10代から芝居芝居で不摂生のかたまりだった私から、よくぞこんなに元気に丈夫に生まれてくれたものです。えらい。ありがとう。

来年もぼちぼちと続けてまいります。面白いお仕事が控えてます。ぼちぼちお知らせいたします。どうか長い目でお付き合いくださいませ。

2017年春 外山弥生 拝


梅が丘プチルピリエ「おかしな監督映画祭」に行ってきました。
不定型監督「光」がもう8年も前の作品だってことに驚きでした。
8年!

渡辺聡監督「行ってしまった春と夏を待つ夜」、主演の小叉
ぴろこさんにもやや久々にお会いできて嬉しかったです。
これも6年も前の作品。
ぴろこさんの変わってなさにびっくりです。

自主映画の上映会自体も久々で楽しかったです。
独特の空気感なんですよね。

さて、しばらくお目にかかるチャンスはなくなってしまうのですが、
ありがたいことに撮影と英語台詞指導(!)のお仕事が入って
います。どちらも旧くからのお付き合いの方からのお声がかり
です。ご縁ってありがたいなあ。

また書きます!